南山大学

 
指定
期間
春学期
単位
年次
1・2
担当者
後藤 直
講義題目
開講キャンパス
講義内容  ある時代の社会と文化を知るための貴重な有形無形の資料総体を何故資源化してそれらの継続的活用・再活用を企図しなければならないのか、また、次世代の文化基盤として文化資源を活用するためにはどのような文化的施設や行政的政策や市民的合意が必要なのか、さらには、文化資源化能力がどのような方面の人材に求められているのかなどを、具体的事例に基づいて論じる予定である。つまり、文化資源学を巡る思想的理念的側面と政策的行政側面と人材的側面を講義するのが目的である。
講義計画 1 文化資源学がなぜ生まれたのか
 文化資源学はごく最近生まれた研究領域である。その誕生の社会的、学問的背景。
2 文化資源学はなにを研究するのか
 (1)専門的学問領域と博物館学など社会と学問をつなぐ実践的領域との横断的研究。
 (2)これまでとは違った眼で、既存の学問領域が扱ってこなかった文化活動とその成果の発掘・対象化も主要な研究。
 (3)さらにその活用の方策、文化政策的研究をおこなう実学的側面。
3 資源化とは
 (1)文化活動の有形・無形の成果を資源化するとはどういうことか、なぜ必要か、その理念はなにか。
 (2)資源化のさまざまな方法
 (3)文化資源と文化財の異同とそこから生ずる問題。
4 資源の保存と活用
 (1)資源化された文化活動の成果をどのように保存・保管するのか。
 (2)それを研究だけでなく市民の文化活動にいかに活用するのか、その意義はなにか。
5 文化資源保存・活用の施設
 (1)文化資源の中心的保存・活用施設(博物館・文書館等)のほかに、無形の資源にかかわる公共ホールなども含め、その存立の意味、それらを取り巻く社会的状況。
 (2)芸術振興や文化財保護などの文化政策とのかかわり。
6 施設の運営
 多くが公共施設として設立され運営されているこれら施設の現状とあるべき姿。
7 文化資源に携わる人
 (1)学芸員、アーキヴィスト、公共ホール・マネージャーなど文化資源の保存・活用に携わる人々が必要とする能力、育成。
 (2)文化資源学における社会人教育。
8 文化資源の活用
 文化資源はどのように保存、活用されているのか、現状と問題点、将来像を実例に則して考える。
評価方法 レポートによるが、出席回数も考慮する。
テキスト なし。必要に応じてプリントを配布する。
その他