南山大学

 
指定
期間
秋学期
単位
年次
1・2
担当者
大塚 達朗
講義題目
開講キャンパス
講義内容  C-14年代測定法によって縄紋土器の年代が更新世・晩氷期に遡ることや、東アジア大陸側でも縄紋土器文化と同等な古さの土器文化が見いだされていることから、それら各地の狩猟採集民による土器文化が完新世に入るとどのように推移したかという前提を持ちながら、すなわち環日本海先史世界を念頭に置きながら、日本列島の先史土器文化の成立や展開を一系統的ではない視点(多くの地域的文化の登場・再編・混交・消長)から見通す作業を事例にそって説明し、縄紋土器文化を脱構築する講義を行う。
講義計画  この講義では、地域考古学研究の事例研究として日本列島の先史時代を取り上げながら、地域の歴史的変遷を正確に把握する使命を有する考古学という学問体系を学習させるために、以下のような講義計画を考えている。
(1).日本列島先史時代を考古学によって理解する意義とは何か。
(2).日本列島の先史時代の枠組み(1)──旧石器時代認識の学史。
(3).日本列島の先史時代の枠組み(2)──新石器時代(縄紋時代)認識の学史。
(4).14C年代測定方法による年代認識の変化──列島先史時代の参照枠の変化。
(5).14C年代測定方法による年代認識の変化を前提とする今日的研究が見落としているもの──日本列島自体の地形・海岸認識の欠落部分。
(6).大陸と日本列島を繋ぐ視点批判(1)──大陸系文物論批判/稲作伝播論批判。
(7).大陸と日本列島を繋ぐ視点批判(2)──北方文化論批判/南島文化論批判。
(8).大陸土器文化分布と縄紋土器文化分布の比較──日本列島連続連綿史観からの反省。
(9).縄紋人の移動と交流(1)──日本列島内部。
(10).縄紋人の移動と交流(2)──日本列島内部。
⑪.縄紋人の移動と交流(3)──大陸と日本列島間。
⑫.縄紋土器文化脱構築の可能性と東アジア先史世界への位置づけの再考。
評価方法 小レポート提出と口頭試問により総合的に判断する。
テキスト 必要に応じて資料を作成して配布する。
その他