南山大学

 
指定
期間
秋学期
単位
年次
1・2
担当者
青柳 宏
講義題目
開講キャンパス
講義内容  本講義では日本語における個々の現象とその分析を一般言語理論、言語類型論、および日本語研究史の観点から理論的により深化させて理解することを目指す。具体的には、語順、補文構造、格表示の仕方、主題化と焦点化、疑問文や否定文のつくり方などにおける日本語の統語的特徴がこの言語の他の特徴(たとえば、形態的特徴)とどのように関わっているのか、またこれらの点で日本語が英語や仏語などの西洋語や韓国語や中国語など他の東洋語とどう違っていて、またその差をいかに説明すべきかといった問題を検討する。
講義計画  生成文法的なものの考え方や日本語を扱った基礎的な文献にある程度の理解があることを前提に、最近注目を集めている諸問題からいくつかを取り上げ、日本語研究でいま何が問題になっているのか、また日本語研究がいかに普遍文法の構築に貢献できるかを考えてゆく。
 具体的には、つぎのようなトピックの中から参加者の希望も加味していくつかを選択し、議論してゆく予定。
1.日本語における語彙範疇と機能範疇
2.照応関係とスコープ
3.複合述語と述語上昇
4.かきまぜ規則と連鎖
5.Wh疑問文と演算子
6.空項(null arguments)
評価方法  学期末に課される論文(term paper)の評点だけでなく、授業における議論への貢献度などを総合的に評価する。
テキスト  Fukui, N., ed. 2003. Formal Japanese syntax and universal grammar: the past 25 years, special issue of Lingua, vol. 113, nos. 4-6. Karimi, S., ed. 2003. Word order and scrambling. Blackwell Publishing. などに掲載の諸論文をコピーして用いる。
その他