南山大学

 
指定
期間
春学期
単位
年次
1・2
担当者
櫻井 進
講義題目
開講キャンパス
講義内容 現代日本社会の文化の特質を日本の近代化過程の諸条件を考慮に入れながら分析する。明治以降、日本は急速な近代化を達成したが、それは徳川日本のプロト工業化の前提が存在していたのであり、文化的にもそういった特徴を見いだすことができる。本講義では、近代化を西洋に特有な現象として捉えるのではなく、全社会を画一化・ 均質化しようとする運動として捉え、その運動が徹底化される歴史的過程の中で発生した文化的・社会的諸問題を検討する。いわゆる大文字の「文化」だけではなく、生活形態に関わる現象も考察の対象として、現代日本社会と文化が抱える問題を浮き彫りにする。
講義計画 第1回 ガイダンス
第2回・第3回 「開発」モデルとしての日本の近代化過程:「プロト[前]工業化」過程としての江戸の
 経済=社会システムを、東アジアのコメ作文化と工業化との関連をも踏まえながら検討する。
第3・第4回 急速な近代化の生み出す矛盾と葛藤:19世紀後半の産業社会化・経済成長がもたらした国
 家・社会・経済・文化システムの持つ歴史的特質を検討する。
第5回・第6回 戦前・戦後の日本システムの連続性と非連続性:1930年体制として成立した日本型社会
 システムの持つ問題点を、日本型社会システムの根源的危機にさらされている「現在」から検討する。
第7回・第8回 戦後高度成長期・バブル経済期の社会と文化:まれに見る均質な社会構造をもたらした
 戦後社会のかかえる問題点を考察する。
第9回・10回 現代日本の社会と文化の不安と動揺:映画・アニメ・流行歌などを素材として、現代日本
 の「人間の危機」を考察する。
第11回・第12回 パネル・ディスカッション「現代日本社会の行方」:第一回から第2回までの講義を踏
 まえて、現代日本社会のかかえる問題と未来を参加者によるパネル・ディスカッションを行う(公開
 版)。
第13回 全体のふりかえり
評価方法 講義への参加態度・小発表(50%)、レポート(50%)
テキスト 講義中に適宜指示する。
その他