南山大学

 
指定
期間
秋学期
単位
年次
1・2
担当者
松戸 庸子
講義題目 市場化過程の社会学的考察
開講キャンパス
講義内容 中国の建国以降の半世紀は、前半の計画経済時代と、80年代以降の市場経済導入時代とに区分できる。それぞれの時代の社会運営原理でもあった「計画・統制」と「市場・自己決定」とが、社会レベルでどのような仕組みを持ちいかなる機能を果たしたかを、制度、組織、意識や行動の中に探っていく。具体的な制度としては、家族制度、戸籍制度、社会保障制度などを取り上げる。それぞれの制度をめぐる政策の変遷や影響、家族や労働生活の領域における国民意識の変容および政策転換へのフィードバック効果にも着目して、現代中国社会の構造変動を、マクロ・ミクロの両次元から観察する。
講義計画 「計画から市場へ」というパースペクティヴから、中国社会のマクロな構造変動特性の理解のために、具体的な集団・組織や社会制度を考察する。そのために、個々の制度の概要、関連政策・法律制定の背後にある思想や国民の意識、制度の変容、制度が果たした社会的な機能や問題点を分析する。

・家族と婚姻法—中国革命における人間解放の意味と婚姻法の変遷
・家族と人口政策—一人っ子政策と家族生活への行政からの侵入
・戸籍制度—二元的社会の創出と制度の変容
・社会保障制度—都市・農村の分離と社会主義的福祉の達成
・労働制度—職業決定方式の変化と失業社会の到来
これらの問題に焦点を合わせ、演習形式で授業を進めていく。
評価方法 平常点(4割)とレポート評価(6割)
テキスト 尚仲生『当代中国社会問題透視』2002年など。
その他 中国語で書かれた文献や・資料を多用する。