南山大学

 

Ⅰ.授業の概要

①講義科目名(単位数)

外国法実務(2単位)

②担当者名

チャールズ・R・アイリッシュ

③科目の種類

展開・先端科目

④必須の有無

選択

⑤配当学年・学期

2・3年(既修者コース:1・2年)・集中

⑥授業の概要

展開・先端科目の一つである。アメリカにおける法と実務について入門である。アメリカにおける法と実務について学ぶと同時に、一般的に海外法実務を行う場合の基礎的な知識を修得する。

アングロアメリカ法体系国にある企業や個人と取引をしたり、これらの国に営業所を開設したりする場合に必要となる基礎的なことがらであるコモン・ローや判例法主義について学習し、判例検索などが自由にできるように実習も行う。また、これらの国における法学、法学教育、法曹、法専門家、法典の意味、法創造過程などに法についての基礎的な知識についても知見を広める。

 後半は国外取引についてのアメリカ合衆国の法理論の現状を反映する様々な法律問題について学習する。

講義資料及び講義中に行われるソクラテスメソッドによる議論はすべて英語で行う。一部については日本語で補助的は説明が加えられることがある。履修者は、アメリカの法科大学院で通常行われるソクラテスメソッドによる理論に積極的に関与することを要請される。

⑦到達目標

履修生のニーズによって異なる。

      外国法実務に関与することになるような場合に備えてアングロアメリカ法の基礎的なことがらを理解することができるようになり、外国の特にアメリカ合衆国の弁護士と法的な問題について論点整理ができ意思疎通ができるようになる。

      外国法実務を専門とする法曹となることを希望する場合に、アメリカのロースクールに正式の学生として在学できるだけの基礎的な知識及び技能を身につける。

      クラスで英語で議論することを通じて、将来外国の特にアメリカ合衆国の弁護士と法的な問題について議論することに心理的抵抗を感じないで済むようにする。

      法制度が異なれば異なる枠組みで紛争解決を図ることがあり、ことばの置き換えだけでは対応できないことを理解し、両制度間の相互理解を可能とするようなコミニュケーションを仲立ちできること。

⑧成績評価の基準と方法

履修者は教室での議論に積極的に関与することを要請される。教室での貢献(20%)及びアメリカの最近の判決と及びそれに関する行政決定に関する5頁のレポートにおける分析力(80%)を評価する。

⑨教科書

C. Irish, An Introduction to Law and Practice in the United States (publication forthcoming in late 2004; publisher will be the University of Wisconsins East Asian Legal Studies Center).

⑩参考文献・参考資料

適宜指示

⑪履修条件その他の事項

2006年3月9日(木)〜3月17日(金)

 

Ⅱ.授業計画

担当

①テーマ

授業内の学修活動

④授業時間外の学修活動等

②ねらい・内容

③授業方法・工夫

イントロダクション

ⅰ)授業の対象について  

ⅱ)授業の進め方と自習

ⅲ)専門用語について

 

 

アメリカ法制度の基本的構造

連邦制

三権分立

司法の独立

 

 

コモンローの本質

判例の読み方および要約の仕方

 

 

アメリカ合衆国における法源

合衆国憲法

連邦制定法と条約

判決

行政的規制

州の判例及び行政的決定

 

 

アメリカ合衆国における法実務

法学教育

州弁護士会と連邦弁護士会の役割

法実務家の構造

 

 

アメリカの弁護士との交渉 

最初の手紙の書き方

利益の対立

弁護士と依頼人との関係

 

 

アメリカ合衆国における紛争解決方法

訴訟適格

連邦民事訴訟手続入門

外国判決の強制執行

斡旋、仲裁、調停

 

 

[実習]判例及び法令などの検索

 

 

 

アメリカ合衆国における間接投資の法的側面

一般的公開性 

節税目的の投資

 

 

10

アメリカ合衆国における不動産投資の法的側面

土地の所有と賃借に関する諸制度

アメリカ合衆国における不動産についての外国人所有権の制限

 

 

11

アメリカ合衆国における外国の間接投資の法的側面

外国の投資に関する政府の見解(CFIUS)

証券関係規制

雇傭関係規制

環境関連規制

土地利用規制

 

 

12

アメリカ合衆国法の域外適用

独占禁止関連法

証券取引関連法

国外汚職行為法

ヘルムズ=バートン法(キューバに関する輸出規制法)

 

 

13

アメリカ合衆国へ物及び役務を輸入することに関する規制

緊急輸入規制法

反ダンピング法

製造元原則

知的財産法の保護

NAFTA

 

 

14

アメリカ合衆国における輸出に関する規制

アメリカ合衆国商務省輸出局

輸出規制

 

 

15

まとめ

外国法実務について