00551 人間の尊厳(選挙と民主主義)
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選必 |
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春学期 |
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2 |
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2〜4 |
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井上 洋 |
他の科目との関連 | |
履修対象学科 | 全 |
副題 | |
講義内容 | 直接民主政治が可能な規模を超えて社会が大きくなった現代においては、国民がみずから選んだ代表たちから構成される機関(議会)を通じて、間接的にその意思を国家意思の決定と執行に反映させるという、代議制(代表民主制)が広く採用されている。この代議制(代表民主制)において、国民が国政を信託する代表を選出する選挙は、主権者たる国民の意思の表明の機会として最も重要な制度である。ところが、最近では、政治的無関心の増加、選挙における投票率の低下が著しく、代議制(代表民主制)の空洞化が指摘されるようになっている。また、「政治の言葉や理想が力を失い、政治の見せ物化が進んでいる」という意見もある。このような現状を踏まえ、本講義では、まず、選挙権の獲得を目指す社会運動を歴史的に追うことによって、選挙権の獲得が人間としての尊厳の確保を求める叫びと不可分のものとして主張されてきた点を確認する。そのうえで、政治参加、選挙、政党といったいくつかのテーマについて現状とその問題点を検討する。制度の細目の説明よりも、問題の所在を明らかにし、問題の克服について考えをめぐらせることに重点をおきたいと思う。そのために、主題に関連するヴィデオを見、それをめぐって論を展開するという方法をとる。 |
講義計画 | I.‘If I had a hammer’(邦題:「天使のハンマー」)から見た20世紀の政治と社会 1.‘If I had a hammer’とフォーク・ソングの歴史 2.1940年代後半から1950年代のアメリカと世界…“赤狩り”、マッカーシイズムの時代、そして冷戦激化の時代… 3.1960年代のアメリカと世界…公民権運動とベトナム反戦運動の高揚と、‘雪どけ’… II.「遠い夜明け」(‘CRY FREEDOM’)、あるいはアパルトヘイトの歴史について 1.映画「遠い夜明け」(リチャード・アテンボロ監督作品、1987年)について 2.アパルトヘイトの歴史 III.イギリスにおける労働運動と民主主義──イギリス映画「ブラス!」(マーク・ハーマン監督作品、1996年)によせて── 1.映画「ブラス!」の背景──サッチャリズムと労働運動── 2.炭鉱労働の歴史 3.労働組合運動の歴史 4.労働組合運動と政治的民主化 5.新保守主義の台頭(イギリスの1980年代) IV.まとめ |
評価方法 | 筆記試験による。講義中の問いかけに対する発言や、講義終了後の質問など、積極的な受講態度も評価に加味する。 |
テキスト | 特には指定しない。講義に際し、資料プリントを配布する。参考文献については、講義中に適宜紹介する。 |
その他 |