南山大学

 
指定
選必
期間
春学期
単位
年次
1〜4
担当者
服部 裕幸
他の科目との関連
履修対象学科
副題
講義内容  翻訳とは何か、ある人やある国の文化を理解するとはどういうことか、といった問題を、俳句や詩の翻訳の可能性、コンピュータ・システムによる自動翻訳の可能性とその問題点、言語行為論、会話の含意の分析、言語と文化の関係についてのサピアやウォーフの仮説などのトピックスをとりあげ、言語・世界・知識の相互関係を概説することによって論ずる。
講義計画 序論 素朴なモデル(暗号解読モデルと写像モデル)
   素朴なモデルを用いて翻訳や理解を考えるのは適切でない、ということを示すのがこの講義の目標
1 翻訳の話から意味の話へ
2 存在者としての意味というのはあるのだろうか?
3 根源的翻訳と翻訳の不確定性
4 言語と世界についての素朴なモデルとそれからの脱却
5 サピア=ウォーフの仮説
   文化が言語を規定するのか、それとも言語が文化を規定するのか?
6 文の意味の理解から発話の解釈へ
7 会話の含意の分析
8 言語行為論
   話すということは、ある特別な意味において、それ自体ある種の行為をなすことでもある。
9 古典的AI研究はなぜ大変なのか
   「時蝿は矢を好む。」
10 翻訳と翻案はどう違う?
11 理解と受容  相互交流・自己変革過程としての翻訳過程
評価方法 定期試験による。
テキスト 特に用いない。適宜、プリント資料を配布する。

【そ の 他】参考文献
服部裕幸『言語哲学入門』勁草書房(2.3.5.6.7.8.に関連)
(以下は入門書ではないので、決して手軽に読めるとは期待しないで下さい。)
クワイン『論理学的観点から』勁草書房(2.3.に関連)
クワイン『ことばと対象』勁草書房(3.に関連)
ウォーフ『言語・思想・現実』講談社学術文庫(4.5.に関連)
グリーン『プラグマティックスとは何か』産業図書(6.7.に関連)
山梨正明『発話行為』大修館書店(8.に関連)
ヴィノグラード、フローレス『コンピュータと認知を理解する』産業図書(9.に関連)
その他