南山大学

 
指定
期間
春学期
秋学期
単位
年次
3
担当者
上野 宏
他の科目との関連 経済学、ミクロ経済とマクロ経済を履修していることが望ましいが、これらを3年次でこのプロジェクト研究と同時に履修してもかまわない。
他学科履修 不可
副題 開発経済・経済発展論:途上国の経済開発の研究
講義内容  ゼミナール形式の少人数教育で専門領域について理解を深める。各学生が専門領域を深めながら、自分のプロジェクト(テーマ)とする問題を発見するのを手助けし、また問題解決のために必要な知識・理解・データ・手法についてはゼミナールの共通のプロジェクトとして設定し指導する。
講義計画  世界人口(1998年で約60億人)の約5分の1は1日1ドル以下の極貧の生活をしています。極貧の人々の約98%は発展途上国に住んでいます。又、途上国の多くはインフレーション・失業・債務など沢山の問題に悩まされています。貧困に代表されるこれらの問題を解決するために、途上国の政府と国民は、どのような政策を採れば良いのであろうか?又富裕国の1員としての我々は、途上国に対してどういう援助政策を採れば良いのであろうか?このプロジェクトはこれらを考えることを目的とします。
プロジェクト研究の進め方
(1)3年次全体の目的は、第1に途上国についての一般的な問題点、分析理論、解決のための政策代替案を学び、第2に成果物として卒論趣意書(prospectus)を作成提出することです。趣意書とは、4年次でどういう研究をやるかの計画書です。即ち対象・目的・方法・作業計画等を含むものです。趣意書は、民間企業における目論見書・企画書・計画書などと同じですから、これを作る経験は就職に役立つでしょう。卒業論文とは、論理です。論理的に考え、論理的に分析し、論理的に説明し、論理的に記述することによって、その論文を読む人を論理によって説得し、納得させることです。スケジュールは以下のように考えています。
(2)3年次春学期。基礎学習期間。最初に「研究論文の書き方」を講義します。それから皆さんは、途上国経済とその開発政策に関する基本文献(英語のもので日本語訳のあるもの)を読んで、レジュメを作り、発表してもらいます。人数が多い場合は、3〜4のグループを作ってもらい、分かれて勉強し発表してもらいます。 
(3)3年次夏休み。第1に、なるべく途上国へ行って見ること。
(4)秋学期。自己の研究対象国と対象問題を決定し、趣意書を作る期間。9月から10月末日までの間に、趣意書の第1案を提出、ゼミで発表・討論してもらいます。これは、必須。11月中に、関連基礎文献・理論モデルを特定し、読み、レジュメを作り、発表してもらいます。
(5)12月から1月(または2月)までに趣意書の第2次案を提出、ゼミで発表・討論してもらいます。討議・コメントに基づき改定。1月に趣意書最終版の提出。
評価方法  ゼミでの発言・討論の積極性(質問も発言の中にいれます)、参加の積極性、協調性、と出席状況。及び、ゼミでの発表内容の良さと、最終趣意書の内容の良さ。良さとは以下のような点です。
 基本文献のプレゼンテーションは、その最も重要な部分を把握していること、内容をよく理解していること、レジュメが簡潔で明快であること、レジュメがきれいであること。
 趣意書案のプレゼンテーションと最終提出の趣意書については、その内容について、問題意識が明確であること、目的が明確であること、新しさあるいは独創性があること、論理性があり整合性があること、対象が明確であること、研究方法が明確であること、データ・ソースが明確であること、作業予定が明確であること、などです。これらを、最初の「論文の書き方」のところで説明します。
テキスト 春学期に読んで発表してもらうテキストは、ゼミの最初に「論文の書き方」を講義しているときに提示し、皆さんと相談して決定します。

【そ の 他】Message: 「学びて思わざれば即ち暗し。思いて学ばざれば即ち危うし。」(論語)
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