南山大学

 
指定
期間
春学期
秋学期
単位
年次
3
担当者
a川 洋子
他の科目との関連 総合政策論III(政治構造と社会変動)を履修すること。
アジア国際関係論 地域文明論B(アジア)は履修が望ましい。
他学科履修 不可
副題 東南アジアの政冶社会・外交
講義内容  ゼミナール形式の少人数教育で専門領域について理解を深める。各学生が専門領域を深めながら、自分のプロジェクト(テーマ)とする問題を発見するのを手助けし、また問題解決のために必要な知識・理解・データ・手法についてはゼミナールの共通のプロジェクトとして設定し指導する。
 21世紀に入ってアジアの国々の大半は、かつての軍事政権や権威主義体制、社会主義体制から民主化へ移行し、初期、定着、深化と、国によって民主化の様相や経験はさまざまであり、ミャンマーのようにまだ軍政体制の国もある。しかし国際環境からの強い改革圧力もあって、紛れもなく民主化の潮流は主流になりつつある。民主化の理念はガバナンス、制度や政策実施に係わる重要な一要件になりつつあるが、現実はどうであろうか。
 民主化の東南アジアにおいて政冶制度や政策は具体的にどのように変わったかその問題点はなにかを学ぶ。初めにデモクラシーとは、民主化とは何か、なぜ民主化かといった一般概念を理解する。次に東南アジアの国々、フィリピン、タイ、インドネシア、カンボジアなど自分の関心のある国について民主化の現状を知り、ついで政冶制度の改革が経済社会諸政策の変化にどのように関連しているかを学ぶ。とりわけ民主制度の歴史が長いフィリピンでは、政府と市民社会の関係が政策の形成過程において補完協力する制度化がすすみつつある。
講義計画 1 春学期はテキストの輪読を行う。報告者はレジメを作成し、口頭報告後、質疑応答を行い、全員が質疑応答、討論に参加する。
2 インターネットで現地英字新聞や英文ジャーナル記事を読んだり、東南アジア各国政府資料や民間団体の情報や統計データを収集する。
3 春学期末に文献調べを経て、各自は暫定的テーマで夏期休暇中に小論文を書く。
4 合宿は4回生、3回生合同で行う。各自が小論文を報告し、論文作成と発表の基礎を学ぶ。
5 秋学期からは各自が選んだテーマで文献調べを経て報告を行い、 最終的に学期末のterm-paperに仕上げる。英文文献を多く活用すること。
6 フィールド調査、インタビュー、シンポジウムや研究会への参加を奨励する。
評価方法 出席、報告、討論参加、勉学への熱意、term-paperなど総合的に評価する。
テキスト 伊藤述史『民主化と軍部 タイとフィリピン』慶応大学出版
五十嵐誠一『フィリピンの民主化と市民社会』成文堂
武田康弘『民主化の比較政冶』ミネルバ
その他