南山大学

 
指定
選必
期間
秋学期
単位
年次
1〜
担当者
梁 暁虹
他の科目との関連
他学科履修
副題
講義内容  佛教の起源は、紀元前6世紀、インド・サブコンティネント北部に遡り、長い期間を経て古代インド文化を代表するに至った。西暦紀元初期、陸路であるシルクロードや南海路を経て東漸し、中国に伝わっていったのであるが、中国にて佛教は様々なプロセスを経て唐の時代まで流行、発展を繰り広げた。唐朝まで佛教は既に一つの外来宗教文化から脱皮し、インド佛教に取って代わった中国独特の佛教に姿を変じ、アジアに於ける佛教の中心地になったのである。そこから、佛教はさらに東漸を続け、東南アジアではベトナム、東アジアでは日本と朝鮮へ伝わり、大乗佛教の一特色たる「漢字仏教文化圏」を形成するようになった。
 その発展途上、佛教は中国の社会、伝統文化の各領域に浸透し、広汎にして深い影響をもたらしたのである。政治、哲学、文学、芸術、言語、民俗、といろいろな面において、「佛(ほとけ)」の陰影がうかがえ、佛教は中国固有の儒教と道教にちょうど三足鼎(さんぞくかなえ)の喩えにふさわしいように、もう一つの「足」をつけたし、伝統文化の主流の一つに含まれるようになったのである。また、その反面、中国の伝統文化へもその影響を与えるようになり、儒・佛・道の三教合併、一種のモザイク文化形態を織り成すように至った。
 本講義では、以上概括したような歴史的背景をめぐり、佛教東漸の軌跡に沿って、さまざまなトピックスを展開し、主に古代インドの佛教形成と発展、中国が佛教から受けた文化的影響を歴史に溯って考察するのを目的とする。
講義計画 1.インドにおける佛教の形成と発展(2回)
2.インド佛教の対外伝播、中国への東漸(2回)
3.中国における佛教の発展、中国佛教の萌芽と盛況(2回)
4.仏教と中国伝統文化、(一)佛教と中国の政治(1回)
5.仏教と中国伝統文化、(二)佛教と中国の文学(2回)
6.仏教と中国伝統文化、(三)佛教と中国の芸術(2回)
7.仏教と中国伝統文化、(四)佛教と中国の民俗(2回)
評価方法 出席を重視し、最終的には、出席率、授業の態度、及び試験の成績を総合的にみて評価する。
テキスト プリント配布
その他