南山大学

 
指定
期間
春学期
単位
年次
1
担当者
杉浦 洋
講義題目 情報数学概論(数値解析学特論)
開講キャンパス 瀬戸キャンパス サテライトキャンパス
講義内容 本研究科における専門的な研究に必要な情報数学の基礎知識を広く学ぶ。具体的には、解析学、集合論、論理、グラフ理論、整数論、代数系の中から情報関連の分野に特に関連の深いものをいくつか選び、その関連をも理解する。そのためには、数理的な厳密性と応用への直観的な説明の双方を学べるように配慮する。
数値解析の理論と算法をより広い立場から把握するために必要な関数解析を概観する。関数近似、数値積分を基礎に応用上重要な微分方程式などを離散化し大次元の連立代数方程式に帰着させ計算機による数値計算を行う。
講義計画  コンピュータによる数値計算は、近似式を用い、有限桁で計算されるので必然的にコントロールできない誤差を含む。したがって、通常の数値計算では論理的に正しい結論が得られない。例えば、ある小惑星の軌道を数値計算しても、小惑星が地球に衝突するかどうかを断定的には答えられない。この講議で取り上げる精度保証付き数値計算法は、数値計算で生じる誤差の範囲を厳格に評価する機能を備えた計算法である。
 これを学ぶ利点は3つある。まず、数値計算結果を明瞭な基準で用いるための技術が得られる。上の例で言えば、小惑星を危険を犯してでも破壊すべきかどうかがわかる。つぎに、コンピュータの数値演算システムについて深い理解が得られる。最後に精妙な誤差理論と美しいアルゴリズムに触れることができる。

1〜2回 精度保証付数値計算法の原理
3〜4回 連立一次方程式の精度保証付解法
5〜6回 固有値問題の精度保証付解法
7〜8回 線形計画問題の精度保証付解法
9〜10回 非線形方程式の精度保証付解法
11〜12回 関数方程式の精度保証付解法
評価方法 レポート
テキスト 『精度保証付き計算法』、大石進一、コロナ社。
その他