南山大学

 
指定
期間
秋学期
単位
年次
1・2
担当者
吉川 洋子
講義題目 国家の中の社会:ガバナンス、制度改革、政策形成
開講キャンパス 瀬戸キャンパス サテライトキャンパス
講義内容  途上国の多くでは貧困、貧富の格差の拡大、急激な都市化に伴う社会的基本ニーズのサービス不足、腐敗や治安問題、政治的不安定など問題が山積している。本講義では途上国の政治社会経済的問題の現状ならびに政策を把握するとともに、効果的な政策形成と実施に密接に関連する政府と社会のガバナンス能力の問題をとりあげる。憲法制定過程、政治制度、政策決定・意思決定過程、公選制と任命制、外交政策と国内過程の関連などの現状を考察し、より参加型で改革的な制度、迅速で透明な政策決定と実施、指導者能力と責任など、ガバナンスの向上にむけた有効な制度と政策を検討する。
講義計画 途上国のガバナンス(統治)にかかわる諸問題のうち、今年度は関連する理論とフィリピンの事例を選択的に講義する。

1 なぜガバナンスか、ガバナンスと外部性
2 民主化、『第3の波』、東南アジアの民主化の深化
3 「強い社会、弱い国家」「国家の中の社会」論(Migdal, Evans)
4 変革期社会の政治(Huntington, 河野勝)
5 制度パーフォーマンス(Putnam)
6 制度変革と政策形成(MaCintyerほか)
7 フィリピン、インドネシアのガバナンス
8 制度改革:社会部門の議席枠、憲法制度改革
9 貧困緩和策:農地改革の変遷、開発援助
10 地方自治権拡大
11 汚職腐敗、防止と緩和政策
評価方法 授業での報告・討論参加ならびに小論文の提出
テキスト 黒岩郁雄編『開発途上国におけるガバナンスの諸課題:理論と実際』アジア経済研究所 2004年
その他 Reading Listを配布する。指定図書を多く読んでもらいたい。
Peter Evans ed.  State-Society Synergy. University of California. 1997.
Joel Migdal, State in Society.  Cambridge University Press, 2001
Jose J. Magadia. State-Society Dynamics : Policy Making in a Restored Democracy. Ateneo de Manila University Press, 2003
Philippine Governance Report :Study on the Management of Power. UNDP 2002(市販書ではない)