00523 思想史に学ぶ人間の尊厳3
|
選必 |
|
春学期 |
|
2 |
|
2〜4 |
|
鈴木 宗徳 |
他の科目との関連 | |
履修対象学科 | 全 |
副題 | 社会学史に学ぶ人間の尊厳 |
授業概要 | われわれが生きる近代社会は、個人の自由を最大限保証するという意味で、人間の尊厳を実現した社会であると思われている。しかし同時に自由とは、孤独や不安、そして自己決定/自己責任による過剰な負担という負の側面と、表裏の関係にある。またその一方、近代社会においてさえ、規律化や規格化という新しいかたちの権力が、われわれの自由を脅かしている。そこには、社会と個人の関係をどのように理論化すべきかという問題が存在する。 社会学は、19世紀に学問として成立して以来、近代社会の特殊性とそのなかでの「個人」をどのように論じるべきかについて、理論的格闘を続けてきた。本講義では、代表的な社会学理論をいくつかとりあげ、社会と個人の関係がどのように説明されているかを検討する。 |
学修目標 | 社会学史の基礎を学び、近代社会における「個人」と「自由」について深く考察する能力を養うことを目標とする。 |
授業計画 | 下記の理論家とその学説について、各テーマがそれぞれ完結するかたちで順次とりあげてゆく。 デュルケム──エゴイズムとアノミー(『自殺論』) ヴェーバー──専門人と神々の争い(『職業としての学問』) ミード──Iとme(『精神・自我・社会』) フロム──自由と権威主義(『自由からの逃走』) フーコー──規律と権力(『監獄の誕生』) ボードリヤール──消費社会と欲望(『消費社会の神話と構造』) ベック──リスク社会と個人化(『危険社会』) |
評価方法 | 学期末に筆記試験を行なう予定。 |
テキスト | テキストはとくに用いない。理論社会学や社会学史の概説書はいくつもある。例えば、船津衛編『クロニクル社会学』(有斐閣)。なにより、授業で扱う理論的著作そのものを読んでほしい。 |
その他 |