南山大学

 
指定
選必
期間
秋学期
単位
年次
1〜4
担当者
友岡 敏明
他の科目との関連
履修対象学科
副題  個人と政治・経済・国家とのかかわり──自由観の変遷──
授業概要  人間の捉え方、したがって政治・社会・国家の捉えかたは時代とともに変わってきた。ある歴史段階には、それに匹敵する人間の捉え方が存在する。したがって、近代には近代の人間の捉え方が存在したのであり、それは一方で「自律的個人」の出現という形で現れ、他方では「民族国家」に凝縮する奉公で表われた。講義では、そのような自律的個人と民族国家の関係が織りなす政治・経済に注目し、近代という時代の流れを追う。
学修目標  自律的個人と国家の関係は、世界が民族の線に沿って個別の国家に分かれていく中で個人の「自由」が権利として獲得された。この近代的自由の誕生と進展、およびその進展に伴う政治・経済事象(一方における人権観念の高まりと他方における資本主義の発達)に急(せ)かされて自由そのものが変貌せざるを得なかった過程(新自由主義の出現と自由の対象の変化)を動態的に学ぶ。これを学ぶことによって、1980年代以降勢いを増し、社会主義政権の消失後も続く、グローバルな規制緩和と競争原理に立脚する現代社会の情勢を歴史的に理解する。
授業計画  具体的な講義のスキームは以下のようである。
   (1)近代の枠組み──国家と個人──
   (2)自律的個人のいくつかの相貌(権利主体と漂流する孤独者)
   (3)産業革命と自由な経済活動を支える理論
   (4)Climbing boysの事例を通して見る社会問題とその解決
   (5)国家が積極的に面倒を見る(福祉・規制)社会=新自由主義の出現
   (6)国家が面倒を見る社会から自己責任の社会へ
評価方法  問題意識への真摯な取り組み、したがって授業への取り組みにおける誠実度を参照し、定期試験における達成度で見る。
テキスト  指定しない。資料を無料で配付する。
その他  授業中携帯ばかり眺めている学生や私語する学生は受講しないよう望む。机にうつ伏して眠りこける学生も歓迎しない。