南山大学

 
指定
期間
秋学期
単位
年次
1〜4
担当者
武田 悠一
他の科目との関連
履修対象学科
副題 英米小説を読む
授業概要  主として英米文学の小説を取り上げて、ある文化的・歴史的条件のもとで文学テクストがどのように生み出され、どのように受容されうるかを具体的に検証する。フェミニズム・ジェンダー批評、ポストコロニアル批評などの最近の批評理論の成果を取り入れ、他の文化領域との関係にも目を向けながら、文学を多角的に理解する視点を呈示する。
学修目標  文学を他の文化領域との関連において捉え、文学作品を多角的に読む視点を習得することを目指す。小説と映画の具体的な作品分析を通じて、言葉や映像がどのようにして意味や効果を生みだしているのかを考えながら、文学や映画を<読む>ための基本的な方法を身につけることが目標である。
授業計画  『フランケンシュタイン』を読む。この小説は当時19才だったイギリス人女性メアリ・シェリーによって1817年に書かれ、翌年に出版されたものだが、たとえ原作を読んだことがなくても、フランケンシュタインと彼が創造したモンスターの物語を知っている人は多いだろう。
 SF小説の起源とも言われるこの小説は、現在に至るまで何度も舞台化されたり映画化されたりして、数多くの翻案や改作を生み出してきた。また、この物語のモチーフは様々に変奏されて、文学や映画の中で使われてきた。いまや、『フランケンシュタイン』は神話となったと言ってもいい。この小説の何がわたしたちの想像力をかきたてるのか。メアリ・シェリーの原作を日本語訳で読みながら、またいくつかのフランケンシュタイン映画を観ながら、この小説の文学的、文化的意味を探っていきたい。
 『フランケンシュタイン』執筆中のメアリ・シェリーの出産体験と怪物創造物語の関係、この小説の思想的背景、怪物という存在の文化的意味、この小説のフェミニズム的解釈、などについて論じる予定。
評価方法 学期末試験の成績によって評価する。
テキスト メアリ・シェリー(森下弓子訳)『フランケンシュタイン』(創元推理文庫)
その他