南山大学

 
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期間
秋学期
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担当者
加藤 隆雄
他の科目との関連
他学科履修
副題 心理現象の社会学
授業概要  自己・アイデンティティ・パーソナリティ・感情・欲望・「こころ」・精神疾患、すなわち心理現象がどのような社会的要因で構成されるかを考察する。前半は「自己」というテーマを中心に社会学と精神分析・心理学とを関連させつつ学説史的な紹介を行う。後半は心理現象が現代社会のなかでどのように変容しているか、それと社会の変化との関係について論じる。
学修目標 心理現象と社会過程・社会構造との関係を理解し、心理現象を個々人の「こころ」へと内閉していくのではない、より広い視点を身につける。
授業計画 1 近代的自我の成立から〈自己−社会〉関係の成立へ
2 自己の学説史(1) フロイトと精神分析
   無意識/エディプス・コンプレックス/超自我/自我/欲動
3 自己の学説史(2) デュルケムとジンメル
   有機的連帯/個人と社会/個人の崇拝/個性の発達と社会分化
4 自己の学説史(3) 初期アメリカ社会学
   主我と客我/他者の役割取得/playからgameへ/一般化された他者/鏡映自己
5 自己の学説史(4) 相互作用論
   シンボルと自己/ラベリング/自己相互作用/役割/自己中心性と脱中心化
6 自己の学説史(5) ゴッフマン
   相互作用儀礼/印象操作/役割距離/儀礼的無関心/スティグマ/フッティング
7 自己の学説史(6) フランクフルト学派とリースマン
   社会的性格/他人指向型/疎外/権威主義的パーソナリティ/一次元的人間
8 現代社会における自己(1) 感情の社会的構成
   マンタリテ/感情革命/感情管理/深層演技/感情構造
9 現代社会における自己(2) ナルシシズムとアイデンティティの変容 
   モラトリアム人間・おたく・メンヘル系/ポストモダン/異質混在性/ディアスポラ
10 現代社会における自己(3) 欲望と社会
   アンチ・オイディプスとリゾーム/記号と消費/マスメディア
11 現代社会における自己(4) 人間関係の変容
   親密性/嗜癖と共依存/セラピー文化/ロジャース派/ナラティヴ
12 現代社会における自己(5) 「こころ」の変容
   少年犯罪/DSM/トラウマ/解離/人格障害/医療化
13 現代社会における自己(6) 狂気と異常
   狂気の歴史/監視とパノプティコン/pouvoir pastoral/イデオロギー装置
14 現代社会における自己(7) 自己と個人化
   個人化/マクドナルド化/グローバリゼーション
評価方法 定期試験に出席点を加味。
テキスト 特に用いない。参考文献は講義時に指示。
その他 2004生以降は2年秋〜、2000〜2003生は2年春〜。