南山大学

 
指定
選必
期間
秋学期
単位
年次
2〜4
担当者
西脇 純
他の科目との関連
他学科履修
副題 キリスト教思想の成立プロセスを追う
授業概要 本講義は、世界中にみられる多くの宗教思想のなかから、特にキリスト教思想に焦点をあて、キリスト教に固有な思想の成立とその展開を追うものです。ナザレの男イエスを「キリスト(メシア、救い主)」であると告白することこそ、キリスト信仰の要でありましょうが、こうしたキリスト信仰の成立およびその言語化のプロセスを、歴史を追って概観したいと思います。まず新約聖書にみられるキリスト論を通覧し、その後、古代教会におけるキリスト論の論争史に焦点を当てつつ、教理の発展を辿ります。個々の論争における教会の公式見解は、多くの場合、信仰内容を短くまとめた「信条Credo」の採択という形をとりました。したがって本講義も、公会議を足がかりに論争史を概観してゆくことになります。ただし、キリスト論の成立過程は、単にその時時の論説が(信条などに)定式化される過程だったということに留まりません。かのナザレのイエスを「神であり人である」と告白し続けた、生きた信仰告白の歴史でもあるのです。そこで、信仰告白共同体の祝いである典礼祭儀にも注目し、古代教会の典礼とキリスト論との相互連関についても、適宜紹介してゆきます。このような作業を通して、キリスト教思想の根本にアプローチしてゆきたいと思います。
学修目標 初代教会から古代教会までのキリスト論の展開を、ニカイヤ、エフェソス、カルケドンの各公会議における信条ならびに関連決定事項を足がかりに理解し、評価することに努めます。
授業計画 1)はじめに
2)新約聖書(福音書およびパウロ書簡におけるキリスト論)
3)ニカイヤ公会議(325年)まで
4)エフェソス公会議(431年)まで
5)カルケドン公会議(451年)まで
6)まとめ
評価方法 出席状況と学期末定期試験の結果などから総合的に判断します。
テキスト 講義の中で随時参考文献を紹介します。
その他