南山大学

 
指定
期間
春学期
単位
年次
1
担当者
吉田 竹也
他の科目との関連
他学科履修
副題
授業概要  人間の文化は地域的にも時代的にもきわめて多様であるが、その一方で、そうした多様性をこえたところで共通性あるいは普遍的特徴をもっているといえる。人類文化学科は、哲学・言語学・科学論・文化人類学・文化史・考古学などの学問領域の成果にもっぱら依拠しつつ、この人間文化の多様性および普遍性について、さまざまな角度からアプローチしようとする、幅広い学びを特徴とする。
この講義は、哲学その他の学問領域の内容に体系的に入っていく前段階として、具体例にできるだけおおく触れながら、人間とその文化を理解しようとする上でとくに重要な、相対的思考態度を身につけることを目的とする。われわれの日常的なものの見方だけでなく、科学的なものの考え方や議論の中にも、しばしば欧米(あるいは日本)の文化に由来するある種の偏りがあるといえる。それに気づくことが、人間文化の多様性について考える上でも、普遍性について考える上でも、出発点として必要である。その点でこの講義は、いわば人類文化学的な思考トレーニングの第1歩といってよい。
 人類文化学科生のみならず、人間文化について学びたい学生一般にたいして、履修を勧めたい。
学修目標 人類文化の多様性と普遍性を学ぼうとする上での基本的な姿勢や思考方法のエッセンスを習得する。
授業計画  下記のような項目について順次論じていくことで、相対的で批判的な思考態度を養いたい。なお、具体的にとりあげるトピックについては、若干の変更もありうる。

第I部. 人類文化学とは何か
  1. 未完の学問
  2. 人類文化研究のアルケオロジー
  3.科学と反科学
第II部. 文化を相対化する視線
  4. ホモ=サピエンスと文化
  5. 見える次元と見えない次元
  6. 文化相対主義と自文化中心主義
第III部. セクシュアリティの研究
  7. 家族と結婚観の比較
  8. ジェンダーの人類学
  9. 処女の日本文化史
第IV部. 異文化理解の探究
  10.風景と空間
  11.きれいはきたない
  12. 神話の構造分析
  13. 嬰児殺しの構造
第V部.はじまりのおわり
  14. はじまりのおわり
評価方法 出欠状況、受講態度、大小のレポート、期末試験を総合的に評価する。
テキスト
その他