南山大学

 
指定
期間
春学期
単位
年次
2〜4
担当者
大塚 達朗
他の科目との関連
他学科履修
副題 東アジア旧石器文化・新石器文化論
授業概要  日本列島内の先史文化要素は、時として北上したり南下したりすることで一般化する。その場合、九州と北海道とが日本列島内の文化動向の起点の場となる。その九州や北海道は、他方で、列島外の東アジアの特定先史文化との関係の方が強いので、日本列島の枠を越えた大きなシステムの存立を念頭におかねばならない。この場合、日本海を大きな交流の場と見ることを意味する。これを環日本海先史世界と呼び、本講義では、この世界によって結びつけられた東アジア旧石器文化・新石器文化どうしの関係を論じる。
学修目標  現代型ホモ・サピエンスがアフリカを出てからアジアにやってきて各地域に定着していく中で、地方文化を形成していくプロセスが考古学によって具体的に明らかにされていることを修得する。
授業計画  以下のような項目を設けて、東アジア旧石器文化と東アジア新石器文化それぞれの特質を考える講義を行い、受講生の人類史的理解を深め、今日の文化的変動状況に左右されない堅固な人間理解の方策を提供したい。
1).人類進化と第1次アウト・オブ・アメリカ
2).東アジア前期旧石器文化の特質
3).人類進化と第2次アウト・オブ・アメリカ
4).現代型ホモ・サピエンスの人類史上の特質
5).後期旧石器文化として東アジア細石器文化の評価
6).後氷期から完新世への移行と環境変化
7).土器文化の出現と東アジア諸先史社会の違い
8).狩猟・魚撈・採集・農耕から見た東アジア諸先史文化
 なお、本学には、考古資料のコレクションで著名な人類学博物館があるので、授業の一貫として本館の見学も予定し、かつ、与えられた特定課題に基づいて博物館展示物を熟覧・分析も授業に組み込まれているので、受講生は真摯な態度で参加することが求められている。
評価方法 期間中のアンケートと小レポートと期末レポートとで成績を評価する。なお、出欠はきびしく取り、成績に反映させる。
テキスト 参考資料を配布する。
その他