南山大学

 
指定
期間
春学期
単位
年次
3
担当者
阿部 泰明
丸山 徹
他の科目との関連
他学科履修 不可
副題 言語類型論と日本語
授業概要 日本語を客観的に見ることで、日本語の姿がより鮮明に浮かび上がってくるはずである。音声、音韻、形態、構文論、意味論など様々な領域で、日本語が他の言語とどう異なっているのか、共通点は何か、といった問題にアプローチする。様々な言語が例として扱われるが、それらの言語についての知識は前提としない。
 「日本語は特殊な言語である」というのは客観的・科学的な根拠を持たない幻想である。人間の言語の一つである日本語は他の言語との共通点も多く、それでいて相違点も多く見られる。言語の実際の使用がどうなっているのかということを「記述文法的視点」(「こう使わなければいけない」という視点ではなく、「こう使われている」という視点)を持って日本語を眺める。
学修目標 「言語類型論」という観点から、他の言語を比べることで、言語としての日本語の特徴を捉えることを目標にしている。日本語の特徴が世界の言語との比較において、どういう意味を持つかを考える。日本語を相対化し、言語一般に見られる特徴を概観しつつ、日本の「位置」を見定める。
授業計画  いくつかのグループに別れて、下記のテーマについて担当を決め、共同作業で準備をし、授業でディスカッションを行う。テキストに述べられている重要なポイントが何かをしっかり押さえられるように訓練を積んでいく。また同時にテキストに書かれていることを批判的に捉え、自分の考えを発展させていく訓練も行う。

1.「言語類型論」概観 − 言語の類型と普遍性
2.「言語類型論」研究史
3.語順の類型
評価方法 学期末レポート、授業への参加度(出席・発表など)
テキスト Introduction to Typology(L.J.Whaley, 1997)からの抜粋(プリントで配布予定)
その他  使用教材は英語で書かれていますが、とても読み易い英文です。言語学を勉強しながら同時に英語の読解力をつけていきましょう。英文法の細かいことにこだわって読むのではなく、大きく内容を把握していく訓練になり、卒業後、社会に出てからも役に立つはずです。またパソコンによる文章執筆、プレゼンテーション用ソフトウエア(パワーポイント)を使ったプレゼンテーションの初歩的技術などパソコン関連の指導も行います。