南山大学

 
指定
期間
春学期
単位
年次
2〜4
担当者
釘貫 亨
他の科目との関連
他学科履修
副題
授業概要  日本語研究は、院政鎌倉時代に始まった日本古典注釈の中に源流を求めることができる。鎌倉時代京都貴族にとって、10世紀前後の王朝古典語の解読と復元は訓練なしに行うことができなくなっていた。王朝古典テクストに接近する手法として仮名遣いとテニヲハが行われたが、その伝達の方法は、秘伝奥伝を旨とする閉鎖性の濃厚なものであった。近世期にいたって学術の担い手の大衆化と広域化が生起して古典注釈のあり方が改新された。文献実証と合理的推論を柱とする古典研究が秘伝的手法を駆逐して、近代科学の前段階を実現する。講義では、中世の日本語研究の発足から近世国学の興隆までの学術史の展開を追いたい。
学修目標  平安時代後期から近世紀までの日本語研究の歴史の全体像を把握するとともに、19世紀後半から20世紀にかけて成立した歴史言語学と一般言語学との関連を理解する。
授業計画 第一週〜第三週:日本古典学の成立と日本語研究
第三週〜第五週:武家の台頭と公家の没落(鎌倉時代ルネサンスの基本理念)
第五週〜第七週:仮名遣い秘伝とテニヲハ秘伝(中世古典語学の枠組み)
第七週〜第九週:近世古典学の勃興(みやびからやまとごころへ)
第九週〜   :仮名遣い論と日本音声学の成立(近世ルネサンスと民族主義)
評価方法 出席とレポート
テキスト プリントで対処する。
その他