南山大学

 
指定
選必
期間
秋学期
単位
年次
1・2
担当者
生野 芳徳
他の科目との関連
他学科履修
副題 物語理論入門
授業概要 この講義は、小説という虚構のジャンルについて、その特性を理解してもらい、その特性に即した作品テクストの分析と解釈にいたるための、基礎的な知識と思考法を獲得してもらうことが目的としています。物語理論の重要な観点を、できるだけ分かりやすく説明・紹介し、同時にテクストの具体例に即してそれらの観点を検討する。それは、学生諸君が自分で考えるための手がかりを提供することですから、ぜひとも自分の頭で考えてもらいたい。
学修目標 「虚構性」の概念を理解すること、虚構の物語のテクストに内在する言語的特長を具体的に認識すること、物語の呈示方法と物語の内容の両面から作品テクストを把握するために、呈示方法についての諸観点と内容を構成する諸要素を、具体例に即して学ぶこと、それによって、物語作品の分析と解釈のための基礎的な能力を獲得すること。
授業計画 次のような点を順次あつかいます。(1)虚構性について—事実のテクストと虚構のテクスト(2)作者・語り手・物語られた世界・読者(内包された作者・内包された読者)(3)物語の状況(シュタンツェルの「物語状況」論)— 物語の視点と焦点化(3)小説の時間(4)作中人物の発話の諸形態(体験話法、内的独白)(5)小説の中の言葉—明示的な意味と暗示的な意味(6)「表層構造」と「深層構造」(7)素材、モティーフ、動機づけ、主題、間テクスト性(7)小説の受容
できるだけ多くの作品の具体例(多くは抜粋)をプリントで配布して、それらを読んでもらいながら、理論的な観点を紹介していきます。作品の例は、できるだけ英・仏・独・西の各言語のものから邦訳または英訳で。
評価方法 学期末のレポートを評価の主な基礎としますが、学期中にも講義の内容についての疑問点や批判を書いてもらいますので、それらも参考にします。
テキスト プリント教材及び:M. マルティネス/M. シェッフェル『物語理論入門』(法政大学出版局)
その他