南山大学

 
指定
期間
秋学期
単位
年次
3・4
担当者
岩野 一郎
他の科目との関連
他学科履修
副題 「代表制の諸問題−代表・選挙・政党・圧力団体・議会」
授業概要  人民主権を原則にしている国であればどこでも、特殊な例外を除いて、直接民主制ではなしに、代議制民主制という形態をとっている。そこで、本講義においては人民主権がどのように代表されのかについて考察を加え、副題に示したように、代表制と選挙、政党・圧力団体、それに議会との関係を考察するのが概要である。
学修目標  直接民主制が原初的な主権の行使であるが、地域の広がり、主権者の数などによって、代議制民主制(間接民主制)を取らざるを得なくなる。代議制民主制によっても、人民主権が維持される諸制度の歴史的発展を理解し、代表の意味を多角的に学ぶことが、本講義の学修目標である。
授業計画  民主政治の形態は直接民主制と間接民主制に分けることが可能であるが、「代表」は後者の制度を取るにあたって、不可欠な概念である。そこで、まず「代表」の定義から始め、Thomas PaineやEdmund Burkeらを手掛かりに、直接民主制から間接民主制への移行と、「代表」の役割について考察する。次いで、「代表」を選出する選挙制度の変遷を、選挙権・被選挙権の拡大、候補者の指名過程、選挙区の区割りなどを歴史的に眺めながら考察する。選挙に欠くことのできない制度として政党と圧力団体の考察が次のテーマとなる。次いで、選挙によって成立する立法部、つまり議会がどのように民意を反映する立法を行うのか、議会の組織を眺めながら立法過程を考察して本講義のまとめとしたい。
評価方法  成績の評価には、期末に行われる筆記試験が最も重要視されるが、学期中に小レポートを課し、このレポートを加えて総合的に評価する。
テキスト 五十嵐他編『アメリカの社会と政治』有斐閣 1995年
阿部斉、久保文明『現代アメリカの政治』放送大学教育振興会 1997年
なお、上記の2冊はテキストというよりは参考文献として扱う。毎回の講義に際して、講義概要と資料のプリントを配布する予定
その他 春学期の「アメリカの政治」を履修していることが望ましいが、必ずしも、本講義の受講の要件とはしない。