南山大学

 
指定
期間
春学期
秋学期
単位
年次
2〜4
担当者
越智 和弘
他の科目との関連
他学科履修
副題
授業概要  ドイツ文学史を、西洋全般の芸術史とつねに歩調を合わせていたとみなすには無理がある。授業においては、ドイツの文学が史上唯一西洋文化の最先端に踊り出たロマン主義を頂点に、文学の歴史を、中世からロマン主義にいたる流れと、ロマン主義から現代にいたる流れに二分して捉えることで、真にドイツ的なものがもつ魅力と危険性の両面を浮き彫りにする。
学修目標 1)文学史が記述される歴史的な必然性とは何かを考える中から、歴史的コンテクストのなかでものを考える姿勢を習得する。
2)ドイツ文学史を概観したうえで、それを単なる通史としてみなさない場合にはどういうとらえ方が可能なのか、についての知識を得る。
3)ドイツの暗い過去を無視したり、絶対悪として弾劾したり、逆に無害化したりするすべてに陥ることのない、新しいドイツの文学史への視点を養う中から、魅力あるドイツ文化を再発見する。
授業計画  ドイツ文学史Aにおいては、戦後のドイツ文学が、素朴な文化への憬れから学ぶ対象となりにくくなった状況を見据える。世界に多くの「良きもの美しきもの」与えながら、同時に「世界の厄介者」となったドイツの矛盾を解く鍵が、ロマン主義という文学運動にあることに焦点を当て、その変遷を現代から19世紀への転換期まで遡りながらたどる。
 ドイツ文学史Bにおいては、「忘れ去られた中世」という観点からドイツの文学をとらえ、そこから18世紀後半以降、ドイツ市民文学が突如として開花する過程とその原因を、一般文学史を踏まえつつも、神秘主義、宗教改革から敬虔主義へという宗教的潮流の中に見いだすことで、ドイツ的なものの真の姿に迫る。
評価方法 講義中の参加態度、筆記試験、レポートなどの成績から総合的に評価する。
テキスト テキストは特にないが、プリント資料などを順次配付する。
参考書  『初めて学ドイツ文学史』(ミネルヴァ書房)
     『ドイツとドイツ人』(岩波文庫)
その他