南山大学

 
指定
期間
秋学期
単位
年次
3・4
担当者
杉原 丈史
他の科目との関連 行政法I
他学科履修
副題  行政による権利・利益侵害から個人を救済する法のしくみ
授業概要  行政は、膨大な人員・設備と強力な権限を有する公的組織によって実施される以上、法に違反してなされた場合はもちろん、適法な場合でさえも、その活動に関係する個々人の権利・利益を侵害する危険性をはらんでいる。個人がこのような危険に直面した場合に、必要な救済手段を保障することもまた、行政法の重要な役割とされ、今や「行政救済法」という一分野を成すまでに発達した。この授業では、行政救済法が、行政活動に伴う危険から私たちの生活を保護し、違法な行政作用を是正するために、具体的にどのような保障を与えているのかについて検討していく。
学修目標  行政法1で学んだ知識に加えて、行政と個人との間の紛争を解決するための法のしくみについて、実際の裁判事例を用いながら学ぶことにより、行政と対等な立場でわたりあえる市民となる上で必要な、行政法に関するより実践的な知識を習得することを目標とする。
授業計画  授業は、以下の項目について行う。
1.行政救済法を学ぶ前に…行政法全体における位置づけ、救済法を学ぶ意義
2.国家賠償法の成立…日本における国家賠償制度の発展
3.国家賠償法(1)…公権力責任のしくみと要件
4.国家賠償法(2)…行政の不作為に対する公権力責任
5.国家賠償法(3)…営造物責任のしくみと要件
6.行政訴訟と裁判制度…行政訴訟をめぐる日本の裁判制度の変遷
7.取消訴訟(1)…訴訟対象としての処分性
8.取消訴訟(2)…訴えの利益
9.取消訴訟(3)…審理手続きと執行停止
10.取消訴訟(4)…判決の効力
11.その他の抗告訴訟(1)…無効等確認訴訟、不作為の違法確認訴訟
12.その他の抗告訴訟(2)…義務付け訴訟、差止訴訟
13.行政不服申立て…行政機関による争訟手続き
14.損失補償法…適法な行政活動による損失補償のしくみ
評価方法  定期試験を主たる評価方法とする。また、講義中に課題を与えた場合には、それも加味する。
テキスト  教科書:原田尚彦『行政法要論』(学陽書房、2005.10現在、全訂第六版(2005年)だが、改訂された場合は最新版を用いる)。
 六法: 小型六法を必携とする
その他