81221 法哲学A
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選 |
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春学期 |
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2 |
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2〜4 |
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高橋 広次 |
他の科目との関連 | |
他学科履修 | 可 |
副題 | 法思想史概説 |
授業概要 | 本授業は、現代のわが国の基本法の基礎をなすと思われる近世および近代の法思想ならびにその世界観の歩みを歴史的に跡付ける。これまでの集団主義的・形而上学的傾向の法思想に対し、個人の人権の尊重や「法とは実定法以外の何ものでもない」という世俗的な法思想は、実に、この時期に形成されていったと言ってよい。我々は、この近世・近代法思想固有の特徴を、古代・中世の法思想と対比しつつ描く一方、どのような形で現代法の核心をなすに到ったかを探ってみよう。 |
学修目標 | 現代に生活している我々は、現代の法思想のみ知っていれば、それで十分ではないかと言われるかもしれない。しかし、現代の新奇に見える法的議論といえども、実は過去の遺産を受け継いでいる。「悪法問題」や「法の妥当根拠」などの法哲学上の主要問題は,形を変えながらも、あらゆる時代を貫く人類共通のテーマとなっている。我々は、各時代の典型的な法思想に現れている先人たちの思想的格闘を学ぶことによって、より広い視野において現代の尖端的な法的議論を眺めうるであろう。 |
授業計画 | 本授業の流れは以下の通り。 1. 近世自然法論の確立 グロチウス 2. 主権思想と「法の支配」:イギリスにおける対抗理論 ホッブスとコーク 3. 啓蒙と革命の中の自然法 ロックとルソー 4. 自然法から理性法へ ドイツ観念論の法思想 カントとヘーゲル 5. 近代法実証主義の発展 1) ドイツ・フランス・イギリスでの流れ 2) 法実証主義の変容: 概念法学から自由法学へ |
評価方法 | 成績の評価に際しては、定期試験の結果を重視するが、中間期を見計らって実施する小テストの結果をも併せて考慮する。 |
テキスト | 三島淑臣『法思想史』(新版) 青林書院新社 1993年 三島淑臣『法哲学入門』 成文堂 2003年(第2刷) |
その他 | 法思想の歴史は、人間社会の歩みと思想一般の歩みを反映している。「社会史」や「思想史」(哲学史)の学習を並行して行うことが望ましい。 |