南山大学

 
指定
選必
期間
春学期
単位
年次
3・4
担当者
杉本  勝
他の科目との関連
他学科履修
副題
授業概要  現在では、日々、月々、新しい製品が生まれ、世の中に送り出されている。皆さんの身近にある携帯電話を見ても、そのいずれもが、今までなかった新しい機能(発明)を持ち、親しみやすく印象的な商品の名称(商標)が付けられている。また、他人に自慢したくなるような斬新なデザイン(意匠)を有するものも少なくなく、しかも楽しくかつ使いやすいコンテンツ(電子的に利用可能な著作物)をのせている。
 これらの発明、商標、意匠、著作物等は、いずれも人間の頭脳を媒介として生まれた無形の財産的な価値を有するもので、知的創作物といわれている。知的創作物の権利の発生、内容、保護等を扱う法律を知的財産法という。
 本講義は、知的財産法全体を対象とし、その主要な法律の概要を見ることを主な狙いとする。これにより、知的創作物に関する新しい問題が現在ある知的財産法によりどのように解決されているか知ることができる。しかし、さらに知的財産法では、新しい問題が国内のみならず、国際的な問題になり、世界的に対応が迫られ、各国で法律の改正や条約による対応に至るというダイナミックな動きを随所で見ることができよう。
学修目標 知的財産(特許・実用新案・意匠・商標・著作物・ノウハウ等)法の概要を理解する。 新聞等で見聞きする知的財産問題について、まず独力で論点や解決の方向を推測し、さらに必要に応じて関係文献を参照しながら、具体的な対応策を立案することができる。
授業計画 知的財産法の全体像を概観した後、身近な具体的な事例をもとに、特許法の主要な仕組み、考え方を説明する。意匠法、商標法については、特許法との差異を中心に補足する程度とする。また、コンピュータソフト・音楽・映画の貸与・コピー等をめぐる新しい問題をもとに、著作権法や不正競争防止法の主な内容にふれてゆく。
なお、国際的な特許・商標等の権利取得制度に関する条約(PCT等)の説明も行う。
評価方法 定期試験の結果を基とするが、授業への参加状況も加味する。
テキスト 講義の都度、講義予定の骨子を記載したプリント資料を配付する。
なお、参考資料として「産業財産権標準テキスト」(特許庁発行)の特許編、意匠編および商標編を無償配付する。また著作権法に関しても簡単なパンフレットを提供予定。
その他 知的財産法は、皆さんが使用の小型法令集には一部しか収録されていない。そこで、専門的な法令集が、「知的財産権六法」(三省堂)、「知的財産法文集」(発明協会)として発行されているが、今回の受講に際して、必ずしも購入する必要はない。講義に際し参照する条文は、「産業財産権標準テキスト」で知りうるが、講義で紹介するWEBサイト「法令データ提供システム」でも容易に確認できる。