南山大学

 
指定
期間
春学期
単位
年次
4
担当者
高橋 広次
他の科目との関連
他学科履修 不可
副題 現代リベラリズムとデモクラシーをめぐる諸問題
授業概要  「自由」と「民主主義」は、今日の人間の精神を最も強力に捉えている普遍的理念であり、何人も抵抗し難い拘束力を有している。しかし、自由の名の下に放縦が黙認されるあまり、社会はリスク管理の強化を求め出し、他方、民主主義の理念に反し、政治無関心層による選挙のたびの高い棄権率が指摘される。本授業は、こうした理念の妥当を再吟味し、正当な再定義を考えていくのにふさわしいテキストを選び、輪読してゆく。履修者は分担結果をレジュメにまとめて報告し、各報告につき、各コメンテータは、演習での質疑応答のきっかけを作ってもらう。
学修目標  「絶対的主権者はすべて必ず腐敗する」という有名な言葉がある。現在、その主権者は一般市民である。主権者は法的拘束から免れる最高の政治的意思の決定者である。「法の支配」といったところで、その「法」(とりわけ「権利」)を造り出すのは、多数市民である。しかし、彼らの決定が正しいかどうかは、自ずと別の問題である。自由や、民主主義は、何故に正当化されるか、普段問われないその根拠を尋ねることが、本授業の目標である。
授業計画  輪読に際し、演習のテーマは以下の順に従って取り扱われる。
1. ケルゼン『デモクラシーの真偽を分かつもの』
 (第一部「デモクラシーと哲学」を取り上げる)
2. メスナー『自然法』
 (第134章「近代民主制」を読む)
3. 木崎喜代治『幻想としての自由と民主主義』
評価方法  平素の演習への取り組みの姿勢、及びレポートで評価する(出席日数、演習での発言内容、報告準備の周到さ、学期ごとのレポート査定に基づく総合評価による)。
テキスト  授業計画で挙げた三つの著作につき、本演習のテーマに直接関わる箇所を抽出して複写し、履修者に配布する。
その他  特になし