91160 考古学研究(三)A
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大塚 達朗 |
講義題目 | 縄紋土器「対化」関係論 |
開講キャンパス | |
授業概要 | 東北地方に栄えた亀ケ岡式土器を特徴とする亀ケ岡式土器文化、すなわち亀ケ岡文化はどのような実質を備えた文化なのだろうか。このような問題設定は従来から多くの研究者によってなされ、解答を求め続けられてきた。しかし、納得いくような解答は見つかっていないようである。 その原因は、亀ケ岡式土器を特徴とする亀ケ岡文化を「独立自存体」と決めつけてきたからである、と思えてならない。私見では、亀ケ岡文化は、「独立自存体」などではなく、関東地方の安行式土器文化と「対化」することが契機となり相互変容をくり返すことで、それぞれの独自性・独特性がある方向付けられ発揮された。その一対の一方の文化として存立していた文化であると考えられる。 したがって、重要なのは「対化」という事態である。本講義では、この「対化」という事態を認定した具体的な認識プロセスや資料操作の手続きを順を追って講義する。さらに、この事態は、日本列島の先史文化を再吟味する際にきわめて肝要な事柄であることを講義し、かつ、環日本海先史土器文化論の序であることを述べてしめくくりたい。 |
学修目標 | 型式学の手法の中で、キメラ土器論という分野の理論と立法の理解をめざす。その際、型式変化の漸進主義・型式の異所的布置とは違う、型式変化の非漸進主義・型式の同所的布置を事例分析によって修得することも含まれる。 |
授業計画 | (1) 亀ヶ岡式の学史(1)──山内清男以前 (2) 亀ヶ岡式の学史(2)──山内清男 (3) 亀ヶ岡式の学史(3)──小林行雄 (4) 安行式の学史(1)──山内清男以前 (5) 安行式の学史(2)──山内清男 (6) 亀ヶ岡式の粗製土器(縄紋施紋土器) (7) 安行式の粗製土器(紐線紋土器) (8) キメラ土器の存在──東北地方 (9) キメラ土器の存在──関東地方 (10) キメラ土器の存在──東海地方以西 ⑪ キメラ土器のまとめ ⑫ 型式圏の再編制(1)──後期の場合 ⑬ 型式圏の再編制(2)──晩期の場合 ⑭ 東アジア先史社分の動向と日本列島 ⑮ 試験 |
評価方法 | 小レポートと期末試験 |
テキスト | 必要に応じて配布する |
その他 |