南山大学

 
指定
期間
夏期前半
単位
年次
1・2
担当者
早乙女 雅博
講義題目 新発見の考古学資料よりみた朝鮮三国時代の歴史と文化
開講キャンパス
授業概要  朝鮮半島の古墳文化である高句麗・百済・新羅の成立と発展は、日本の古代国家の成立期である古墳文化にも大きな影響を与えた。そのような朝鮮半島の古代社会の王権と社会構造を、新しく発見された遺跡や遺物を素材として、考古学的な分析と文献記事を比較しながら復原していく。対象とする時期は、4世紀から6世紀までであり、取り上げる遺跡は、山城・平城・古墳、寺院などがあり、遺物は土器、瓦、金製装身具、武器などである。高句麗の壁画古墳は、2004年にユネスコの世界遺産に登録されたが、その年の秋に新たに撮影された6基の古墳壁画映像を、授業時に写して理解の助けとする。
学修目標  授業の対象とする朝鮮半島の古墳文化は、文献に記されていない先史・原史ではなく歴史時代に属する。歴史書である『三国史記』は、高句麗・百済・新羅の三国を紀元前後に成立したと記すが、信頼のおける内容は4世紀以降である。同じ時代・同じ社会を語る考古学資料と文献記事をどのように読みこなし、分析していくか、その方法の修得をめざす。特に、文字が記された遺物は考古学資料でもあり、文献資料(金石文)でもあるが、その扱い方法についての修得にもこころがける。
授業計画  以下の項目を設けて
 (1)高句麗の積石塚と王都の構造(2)高句麗の壁画古墳の構造と壁画内容(3)百済前期王都と王陵(4)百済中期王都と武寧王陵(5)百済後期王都と寺院の建立(6)新羅土器の編年(7)新羅古墳副葬品からみた新羅社会の構造(8)考古学と金石文・文献資料の扱い
 授業を行う。
評価方法 レポート提出。なお出席も重視する。
テキスト  購入する必要はないが、早乙女雅博著『朝鮮半島の考古学』(2000年、同成社)の該当箇所を、予め読んでおくこと。図面や表の資料は、授業時に適宜配布する。
その他