南山大学

 
指定
期間
秋学期
単位
年次
1・2
担当者
藤井 創
講義題目 アメリカ的キリスト教の現代的考察
開講キャンパス
授業概要 建国以来、キリスト教がアメリカ社会に多大な影響を与えてきたことは自明の事実である。しかし、そこには「アメリカ的キリスト教」とも言いうる宗教的、文化的な特質が存在する。それは物質主義、軍国主義、人種差別、階級差別、女性差別、同性愛差別などアメリカの文化的価値観がキリスト教と結びついたアメリカ固有の宗教的特質である。ここでは特にWASPによって形作られてきたアメリカ社会を宗教的、文化的側面から考察しながら、「アメリカ的キリスト教」の素顔を概観する。またWASPに対峙するアフリカン・アメリカンなどマイノリティの宗教、思想にも焦点をあてる。さらにメインライン教会における信仰刷新運動、フェミニズム、同性愛擁護の動向などを概観し、現代アメリカの宗教、思想の新たな流れを展望する。
学修目標 履修者が「アメリカ的キリスト教」の各論をていねいに学びながらその全体のイメージを描き、ステレオタイプでない現代アメリカ像を構築できるようにする。さらに各人がそれぞれの研究領域に沿って、関心のある各論を掘り下げる作業を行い、学期末のレポート作成、口頭発表に結実させる。
授業計画 1 オリエンテーション
2 メインライン教会の動揺:ブッシュの属する教会とは?
3 ミリタリズムと教会(1)Manifest Destinyと銃社会アメリカ
4 ミリタリズムと教会(2)中南米の「解放の神学」との対話
5 ミリタリズムと教会(3)2001.9.11とイラク戦争
6 ホワイト・レイシズムと教会  
7 物質主義と教会:メガチャーチの出現 Robert Schuller & Benny Hinn
8 アフリカン・アメリカンの宗教:キング牧師とマルコムX、ゴスペルとブルース
9 セクシズムと教会:AmericanWoman Intimately Oppressed?
10 ヘテロ・セクシズムと教会:現代アメリカの教会を二分する懸案
11 インクルーシブな教会を目指して:人種混合の教会
12 アメリカのキリスト教の捉え直し:メインライン教会の新たな宗教改革
13 まとめ:レポート発表 レポート提出
評価方法 平常点(クラス出席・参加)を20%、学期末レポートを80%として評価
テキスト 『世紀末のアメリカとキリスト教』藤井創 新教出版社 1999年
その他