93146 国際地域文化課題演習I(歴史と社会)
|
選必 |
|
秋学期 |
|
2 |
|
1 |
|
富野 幹雄 川島 正樹 |
講義題目 | 南北アメリカ・環大西洋圏における奴隷制とその歴史的影響に関する国際比較を軸とした近現代史再考の試み |
開講キャンパス | |
授業概要 | 「歴史と社会」に関する特定課題演習分野においては、異文化間ならびに異民族・人種間の相互理解と共生にもとづく国際社会のあり方を探求するために、主として歴史学と社会学の学問領域を念頭に置きながら、「エスニシティー」、「人種」、「ジェンダー」をキーワードに、各領域に閉ざされることのない領域横断的な視座を含めながら、「歴史と社会」に関する理論的枠組みを探求する。 |
学修目標 | 最終的には「近代」の歴史総体の根本的再考を試みる視座の確立を目指す。 |
授業計画 | ブラジル史とアメリカ合衆国史を専門領域とする担当者のコラボレーションによって、次のような内容で授業を行う。まず研究の枠組みとして「南北アメリカ大陸」さらにはそれを拡張した「環大西洋圏」を設定し、「近代」の歴史展開上極めて重要な意味を持つ奴隷貿易と奴隷制に焦点を当て、新大陸(主としてブラジルとアメリカ合衆国)における奴隷制の展開の仕方とその歴史的影響に関する比較研究を行う。なお受講生にはほぼ毎回下記に提示された参考文献に関わるアサインメントを課す。より具体的な授業計画は下記のとおり。 序: 方法論の模索 (1)歴史的方法の再吟味(古典的方法論研究文献と最近の議論から) 参考文献:E. H. カー『歴史とは何か』(岩波新書、1962年) (2)歴史・社会研究の実際(ブラジルの事例から) 参考文献:金七紀男他『ブラジル研究入門』(晃洋書房、2000年);リーン・スミス『ブラジル—住民と制度』(中央公論社、1962年);チャ−ルズ・ワグレイ『ブラジル』(二宮書店、1971年) 本論 第1部: 比較「人種」論—ブラジルとアメリカ合衆国の奴隷制の性格をめぐって (1)ブラジルにおける「人種」研究 参考文献:G.フレイレ『熱帯の新世界』(新世界社、1979年);大貫良夫編『民族交錯のアメリカ大陸』(山川出版社、1984年) (2)比較奴隷制論 参考文献:F.タネンバウム著『アメリカ圏の黒人奴隷』(彩流社、1980年);C.N.デグラー『ブラジルと合衆国の人種差別』(亜紀書房、1986年) 第2部: ブラック・ディアスポラ—奴隷貿易とその歴史的影響の比較研究による「近代」史再考 (1)比較史研究と「下から」の視点 参考文献:ロナルド・シーガル『ブラック・ディアスポラ』(明石書店、1999年) (2)現在への視座の獲得を目指して 参考文献:川島正樹編『アメリカニズムと「人種」』(名古屋大学出版会、2005年) |
評価方法 | 単元ごとのアサインメントを中心とする平常点および学期末の「授業のまとめレポート」による |
テキスト | (上記「講義計画」の参考文献を参照) |
その他 |