南山大学

 

【科目コード】97709

【科目名称】消費者行動

【担当者】松下 光司

【単位数】2      【配当年次】1秋・2     【開講期】秋学期

 

【授業概要】

本科目の目的は、買い手行動に関する理論枠組みを理解し、それをマーケティング戦略の策定に応用できる能力を身につけることである。授業では、購買意思決定プロセスの全体像、その理論的背景である消費者の情報処理プロセス、個人差要因である関与、知識といった基本概念を、講義やディスカッション形式の授業によって学ぶ。その後、履修者各自が関心を持つマーケティング課題を、買い手行動の観点から分析することで応用力の向上を目指す。

【到達目標】

買い手行動に関する理論枠組みを用いて様々なマーケティング現象を分析し、その分析に基づき適切なマーケティング戦略を策定することができる基礎的能力を養成することを目的とする。

【授業計画】

1.          消費者行動とマーケティング戦略

(1) 消費者行動とは何か (2) 消費者行動とマーケティング戦略との関わり

2.          購買意思決定プロセスの概要

(1) 購買意思決定プロセスの諸段階 (2) 購買意思決定プロセスとマーケティング戦略との関わり

3.          購買行動を捉える理論枠組み

(1) 消費者行動研究の史的展開 (2) 消費者情報処理モデルの考え方 (3) 消費者の情報処理プロセスの概要

4.          情報処理プロセスの特性(1)

(1) 関与・知識概念 (2) 注目・理解プロセスと関与・知識

5.          情報処理プロセスの特性(2)

(1) 態度概念 (2) 態度変容 (3) 態度と購買行動との関連

6.          情報処理プロセスの特性(3)

(1) 代償型の意思決定 (2) 非代償型の意思決定 (3) 関与・知識と意思決定ルール

7.          購買行動の特性(1)

(1) 購買行動の類型 (2) 購買行動特性と関与・知識

8.          購買行動の特性(2)

(1) 古典的条件付け (2) オペラント条件付け

9.          購買行動と製品戦略

(1) 購買行動と製品戦略との関わり (2) 知覚マップとマーケティング戦略

10.       購買行動と価格戦略

(1) 購買行動と価格戦略との関わり (2) 消費者にとっての価格の役割 (3) 購買行動類型と価格戦略

11.       購買行動とプロモーション戦略(1)

(1) 購買行動とプロモーション戦略との関わり (2) 購買行動とプッシュ・プル戦略 (3) 購買行動とプロモーション・ミックス

12.       購買行動とプロモーション戦略(2)

(1) 広告表現と態度変容 (2) 精緻化見込みモデル (3) 低関与学習 (4) 購買行動と広告効果の測定

13.       購買行動とチャネル戦略(1)

(1) 購買行動とチャネル戦略との関わり (2) 購買行動と業態選択・店舗選択

14.       購買行動とチャネル戦略(2)

(1) 店舗内購買行動を分析する意義 (2) 非計画購買の類型 (3) 店舗内購買行動研究の課題

【評価方法】

レポート 70

ホームワークの提出

授業への貢献度 30

クラス討議への参加と発言内容

【テキスト】

杉本徹雄 編著『消費者理解のための心理学』福村出版、1997

池尾恭一『日本型マーケティングの革新』有斐閣、1999