南山大学

 

【科目コード】97855

【科目名称】ビジネス中国語初級

【担当者】林 秀美

【単位数】2      【配当年次】1春・2     【開講期】春学期

 

【授業概要】

最近の中国における日本企業・現地法人における管理に必要なビジネス現場での中国語について、その初歩を学ぶ。中国語初心者以上を主対象として、「読む・書く・聞く・話す」のスキルを、初心者が直面しがちなビジネス・シチュエーション、書類、会話場面を設定し、実践的に学習する。ロール・プレイング、ディスカッション、レポート課題など、多面的にビジネス現場で用いられている中国語に触れることで、実践的なリテラシーを高めていく。また、日中のビジネス習慣・考え方・価値観の相違点についても取り上げ、理解を深める。(当該科目の単位は修了要件には含まない。)

【到達目標】

中国および中国語圏の日系企業現場においてありがちなシチュエーションのもとで、ビジネス中国語初心者が直面する会話・読解・リスニング等の諸場面を設定し、ロール・プレイング、ディスカッション、およびレポート課題等を通じて、基礎的ではあるが実践的な(=使える・通じる)ビジネス中国語の運用能力ならびにリテラシーを獲得することを主な目標として設定する。

授業計画

1.          オリエンテーション

(1)中国語とはどのような言語か (2)ビジネス現場における中国語コミュニケーションの重要性 (3)日本人がよくおかす間違い (4)講義の進め方と学習方法

2.          イントロダクション(1)

(1)発音と四声 (2)漢字と語彙(発音記号表記を含む)

3.          イントロダクション(2)

(1)文法 (2)その他知っておきたい基礎知識

4.          イントロダクション(3)

(1)中国と日本:文化的相違 (2)中国人と日本人の勤労観の相違 

(3)中国人従業員が日系企業に求めるもの

5.          挨拶

(1)初対面時の挨拶・自己紹介・名刺交換 (2)発音練習 (3)ロール・プレイング (4)リスニングと筆記

6.          電話(1)

(1)一般的な電話の応対 (2)顧客からの電話 (3)同僚からの電話 (4)発音練習 (5)ロール・プレイング (6)リスニングと筆記

7.          電話(2)

(1)外部への電話 (2)発音練習 (3)ロール・プレイング (4)リスニングと筆記

8.          業務指示

(1)部下への簡単な口頭による業務指示 (2)部下への簡単な書面による業務指示 (3)発音練習 (4)ロール・プレイング (5)リスニングと筆記

9.          業務依頼および命令

(1)上司・同僚からの簡単な口頭による業務依頼および命令 (2)上司・同僚からの簡単な書面による業務依頼および命令 (3)発音練習 (4)作文練習

10.       リフレッシュメント

(1)これまでの復習 (2)発音練習 (3)ロール・プレイング (4)リスニングと筆記

11.       食事(1)

(1)中国食文化について (2)招待状の書き方及び返事・集計等 (3)作文練習 

12.       食事(2)

(1)礼儀作法−その1− (2)礼儀作法−その2− (3)実技練習 

13.       食事(3)

(1)メニューの読み方 (2)注文の仕方 (3)発音練習 (4)ロール・プレイング (5)リスニングと筆記

14.       食事(4)

(1)勘定の仕方 (2)感謝状の書き方等 (3)練習 (4)まとめ

【評価方法】

筆記試験 50

 期末試験 25

 小テスト(クイズ) 25

クラスへの貢献度 50%

 発音練習・ロールプレイング・リスニング・筆記・ディスカッション等を総合的に判断する。小テスト(クイズ)は講義時間中に実施する。なお、これら課題への参加や貢献の度合いが低い受講者には単位を与えない。

【テキスト】

「ビジネス中国語」を冠する書籍は最近増えてきているようだが、多くは中国語を母国語とする者から見ると誤謬や時代遅れ、さらに特殊な表現が多く、特に推薦できるものは見当たらない。したがって、講義中に次回テキストを事前配布する。

【参考文献】

まったくの中国語初学者は、中国語一般を扱った書籍・辞書を手元に準備し、随時参照することが望ましい。

【備考】

 本科目は、これまで一度も中国語を学習した経験のない初学者から、大学において中国語を第二外国語として履修した受講生までを想定している(したがって予備知識は不要である)。今後、中国もしくは中国語圏での勤務・出張の可能性が僅かでもあるならば、履修を薦める。講師は中国語を母国語としており、日本人ビジネスパーソンが陥りがちな中国語運用上のミスについても熟知しているので、疑問点はすぐに質問されたい。また、講義時間中の発音練習・ロールプレイングにおいては積極的に参画しなければまったく意味がないことを申し添えておきたい(つまり、簡単な職場のシチュエーションにおいて、「中国人従業員に本当に伝わるレベルまで」の到達を目標としている)。なお、本科目に引き続いて、「ビジネス中国語中級」(講師同じ)が開講されている。