Ⅰ.授業の概要
①講義科目名(単位数) |
企業法務(2単位) |
②担当者名 |
黒田 清彦 瀧川 宜信 |
③科目の種類 |
展開・先端科目 |
④必須の有無 |
選択 |
⑤配当学年・学期 |
2・3年(既修者コース:1・2年)・秋学期 |
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⑥授業の概要 |
民商法の基礎教育をベースに、企業実務という切り口で、知識・理解を応用・展開させるための授業を行います。テーマとするのは、①企業法務の実体の理解向上、②会社法実務の習得、③企業間取引法務の習得です。 事前に事例や課題を提示し、予習に基づき一定の理解を得たものとして、授業では、質問したり、全員又はグループに分け議論したりして、論点の抽出や結論の検討、実務書類の完成などを行います。授業では、事例に関して受講生が自ら進んで思考し、論点を整理し、解答が導き出せるよう配慮します。そのためプロブレムメソッド、ソクラテスメソッド、ディスカッションメソッドなど事例毎に最適な手法を組み合わせます。 (オムニバス形式) (黒田専任教授)株式会社において何を重要なポイントとして押さえなければならないかを具体的に会社を設立するという想定の中で考え、他方、コーポレート・ガバナンスの観点から取締役の責任を論ずることにより、株式会社のあるべき姿を学問研究者の立場から考察します。 (瀧川兼任講師)企業法務の現場における豊富な経験に基づく実務家の立場から、コーポレート・ガバナンスやコンプライアンスを中心として、実務の具体例に基づく理論分析を行います。 |
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⑦到達目標 |
企業内弁護士もしくは企業担当弁護士として、担当するあるいは相談を受ける蓋然性の高い企業での事例を選び、それに対する必要な理論と実務を一体として習得させることを目的としています。 とくに商法実務を中心とした基礎的な部分を、習得することができます。ただし、2単位では断片的な部分しか授業できません。実際の企業法務は、もっと深く、幅広いものであるので、この科目の習得を機に、さらに勉強を続けて貰うための呼び水としての位置づけもあります。 |
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⑧成績評価の基準と方法 |
質問の解答状況、ディスカッションの参加状況、筆記試験の評価によります。 |
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⑨教科書 |
事例および教材は、事前に提示します。 |
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⑩参考文献・ 参考資料 |
授業は、多岐にわたるため、主要参考文献については、事前に提示します。 (なお、関連する文献を探し出すのも、身に着けるべきスキルであるので、事前に提示した参考文献で満足してもらっては困ります。) |
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⑪履修条件その他の事項 |
特にありません。 |
Ⅱ.授業計画
回 担当 |
①テーマ |
授業内の学修活動 |
④授業時間外の学修活動等 |
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②ねらい・内容 |
③授業方法・工夫 |
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1 黒田瀧川 |
イントロダクション |
授業計画、授業の進め方、予習・復習、アサインメントの学習方法についてガイダンスする。企業法務に必要なスキルについて説明します。 |
グループ分けを行います。 |
指定された参考資料に基づき予習 |
2 瀧川 |
企業法務(1) |
なぜ、近年、企業法務部やコンプライアンス部の重要性が増加してきたのか、企業法務の機能とはどのようなものかについて分析します。 |
グループ毎に議論します。 |
企業法務の課題等に関する資料を一読しておいて下さい。 |
3 瀧川 |
企業法務 (2) |
①企業の法務・コンプライアンス態勢のレベルを上げていくにはどのような課題があるか、 ②企業内弁護士、企業弁護士としては、何を期待され、どのようなスキルを身につけるべきか、 について方向性を探究します。 |
グループ毎に議論します。 |
提示した条件に基づいて 各自が、定款を作成し、次回までに提出します。 |
4 黒田 |
定款の作成 |
事前に条件を提示し各自作成してきた定款にもとづいて、 会社の商号・目的・株式の譲渡制限など基礎を復習します。 |
小テストも行います。 |
1〜3回について、整理しておいて下さい。 |
5 瀧川 |
意見交換 |
これまでの重要ポイントを受講生に質問し、理解を高めると同時に、補足すべき点を意見交換します。 |
質問形式を取り入れると同時に、全体討議の場とします。 |
取締役の責任についての判例を予習しておいて下さい。 |
6 黒田 |
取締役の責任 |
「子会社を支援した取締役の責任」について事例を提示し、経営者の責任について検討します。 |
小テストも行います。 |
「監査役の対応と責任」の事例について、予習しておいて下さい。 |
7 瀧川 |
監査役の義務と責任 |
「取締役が架空取引に関与していることを知らされた場合の監査役」のとるべき行動、看過した場合の責任等について検討します。 |
グループ毎に、議論を加え、考え方をまとめます。 |
監査役設置会社、委員会等設置会社のメリット、デメリットについて予習します(資料提示)。 |
8 黒田 瀧川 |
監査役設置会社と委員会等設置会社のメリット・デメリット |
グループを、委員会等設置会社派と監査役設置会社派に2分し、自社の有利な点をディベートします。 その後、自派のメリット、デメリット表を作成します。 |
2グループで討議します。 |
コーポレート・ガバナンスとは、コーポレート・ガバナンスの失敗例を提示するので一読しておいて下さい。 |
9 瀧川 |
コーポレート・ガバナンスの実効性向上 |
コーポレート・ガバナンスの失敗例をもとに、実効性向上のための方策を検討します。 |
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大和銀行代表訴訟事件第一審等の資料を一読しておいて下さい。 |
10 瀧川 |
内部統制システムとコンプライアンス |
内部統制システムとは何か、内部統制システムとコンプライアンスとの関係について議論し、グループ毎に議論し、企業としての対応の方向を検討します。 |
グループ毎に、対応方法を検討します。 |
取引基本契約書について、事前提示するので、問題点や疑問点を抽出しておいて下さい。 |
11 瀧川 |
企業間取引契約の審査 |
グループ毎に問題点を抽出し、抽出の理由や対応策について議論します。 |
グループ毎に、対応方法を検討します。 |
契約解消が問題となった事例を提示しますので対応策を考えておいて下さい。 |
12 瀧川 |
企業間の継続的取引の解消 |
事例に基づき、契約を解消する手段、その場合の取引の相手方の対応などについて議論します。 |
グループ毎に、事例に基づき発表します。 |
合併についての事例を提示しますので、設問について考えてきてください。 |
13 瀧川 |
会社の合併 |
事例をもとに合併交渉の注意点、合併手続の注意点などについて検討します。 |
グループ毎に、事例に基づき発表します。 |
「企業法務」で学んだことを、整理復習しておいて下さい。 |
14 黒田瀧川 |
意見交換 |
これまでの重要ポイントを受講生に質問し、理解を高めると同時に、補足すべき点を意見交換します。 |
質問形式を取り入れると同時に、全体討議の場とします。 |
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15 黒田瀧川 |
試験 |
事例に基づき、問題点とその対応方法、および自分の意見を述べて下さい。 |
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