00521 人間の尊厳(キリスト教における人間観)
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選必 |
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秋学期 |
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2 |
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2〜4 |
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山田 望 |
他の科目との関連 | |
履修対象学科 | 全 |
副題 | |
授業概要 | キリスト教人間観は、「神の似姿」として創造された者として人間は被造物の中でも特異な存在であるという理解と、しかも同時に自然の一部として「泥」から創造され「泥」に帰る存在でもあるという一見矛盾した理解の上に成り立っている。ユダヤ教以来のこの人間観を、イエスの内に受肉したキリストが取り持つ神と人との新たな契約関係に移し変えたところにキリスト教人間観の特徴がある。人は「泥」としての弱さ・限界を備えつつも、むしろそれを個の固有性として積極的にとらえ直すことにより、キリストによって「神の似姿」を霊的に具現する者と成っていく。そこに、人が「人にふさわしく飾られる」(dignitas)という意味の「人間の尊厳」のキリスト教的理解がある。 |
学修目標 | 授業の前半では、創世記に始まりアブラハム、イサク、ヤコブ、ヨセフといった旧約の族長物語の中に、神と人とのどのような関わりが描かれているかを紹介する。その際、「『神の似姿』であり『泥』でもある人間」、「霊的成長を遂げる存在としての人間」、「歴史的存在としての人間」、「真の自由を求める存在としての人間」といった人間の諸側面に照らした理解を深めることが当面の目標となる。後半は、イエスの「神の国」について、「善きサマリアの人の譬」、「放蕩息子の譬」、「ぶどう園の労働者の譬」などの譬話や「山上の説教」を取り上げ、そこに描かれる「ドラマ」の内容と聴き手に語られているメッセージを理解することが学生に期待される目標となる。 |
授業計画 | 1.創造神話の二面的人間観:「神の似姿」と「土の塵」。 2.神話的原因譚とイサク奉献の物語。 3.ヨセフ物語と夢解き:摂理と人間。 4.十戒と本当の自由:自由を求める人間像 5.降誕物語に見る「信仰」:絶望の中の灯火。 6.イエスと「神の国」思想−逆転の人間観。 7.イエスの教えと癒し 8.イエスの譬話(1) 9.イエスの譬話(2) 10.イエスの受難 11.イエスの復活 12.パウロの人間観 13.黙示録の人間観 14.総括:私の人間観 |
評価方法 | 出席状況、レポート。 |
テキスト | 新共同訳聖書、そのほか適宜プリントを配布する。 |
その他 | 講義は、さまざまな文献史料のみならず、ヴィデオやスライドなどの視聴覚資料をも併用しながら進められる。 この科目は、次の JABEE 対応コース「情報技術専修コース」学習・教育目標に対応する。(A) |