南山大学

 
指定
期間
春学期
秋学期
単位
年次
3
担当者
VOLPE Angelina
他の科目との関連 キリスト教概論 宗教と文明
宗教論
他学科履修 不可
副題 「希望」の文化の建設
授業概要  ゼミナール形式の少人数教育で専門領域について理解を深める。各学生が専門領域を深めながら、自分のプロジェクト(テーマ)とする問題を発見するのを手助けし、また問題解決のために必要な知識・理解・データ・手法についてはゼミナールの共通のプロジェクトとして設定し指導する。
学修目標 「大半の現代人が抱える知識的、道徳的な弱さは、産業社会において宗教ともいえる物質主義や実証主義が原因である。善と悪、正と不正の区別はもはや存在しない」。これは、1912年にノーベル医学賞を受賞したフランス人のアレクシス・カッレルの言葉である。この言葉は70年前に書かれたものであるにも関わらず、現代においても実にしっくりくる。事実、知識や道徳における弱さや物質主義によって人間の神秘性を無視するある科学のありかたの問題、自己利益から生じる戦争、破壊を目指すテロ、文明の衝突、自然破壊、そして地球の人口の大半が苦しんでいる貧困等の深刻な問題はますます大きなものとなった。しかし、ヘルドラインとともにハイデガーはこう言う。「危険なところにこそ救いも大きくなる」と。
本ゼミは、亡きヨハネ・パウロ二世が2000年の大聖年に世界にアピールした提言を取り上げ、技術的発展ばかりではなく人間本性の根源に遡り、社会的責任の自覚などを踏まえて人間の尊厳を中心とするヒューマニズムの可能性を思考する。
授業計画 学生が興味を持つテーマや質問を中心にする。同時に教員も講義内容に関連するいくつかのテーマを学生に提案する。
例:
1.現代における人間の苦悶(F.ニーチェ、A.カミュ、E.ムンク)
2.現代における平和の問題:貧困、世界の資源に対する管理問題、戦争とテロ(N.チョムスキー、M.ムーア、A.セン)
3.宗教的原理主義と平和を求める宗教(マザーテレサ、ヨハネ・パウロ二世)
4.情報に溢れる社会で真実を探す:イラクとパレスチナのケース
評価方法 出席、受講態度、定期的宿題、発表、最終レポートから総合的に評価する
テキスト 定期的な資料を配る
その他