南山大学

 
指定
選必
期間
春学期
単位
年次
2〜
担当者
遠藤 宏一
他の科目との関連 財政学、地方財政政策論、行政学、経済政策論
他学科履修
副題
授業概要  現代の経済は、「民間財」と「公共財」を供給する2つの部門を不可欠としている。民間財を調整するのが市場メカニズムであるが、公共財は国や自治体(いわゆる「公共部門」)の手により、議会あるいは協議体(政治・行政システム)での配分決定を通して供給される。他方、今日ますます量的・質的に重要になっているのが、その中間にある「混合財」である。このため今日、現代的公共性とは何かが改めて問われるようになっている。
 従って本講義は、公共性概念をどう現代的に再構成するか、「公共部門」の内的編成・制度、公共財の供給や公共政策の意思決定メカニズム(=公共性の序列と公共政策のデザイン)、現代日本における公共政策の展開等を考察する。
学修目標 現代的公共性とは何か、公共政策形成の歴史と理論、現代的公共政策の目標・政策手段・主体、その政策デザイン等に関する一般理論を学修、その基礎のうえで戦後日本の公共政策の展開、問題点と課題等について主要な領域に関して各論的に学修する。
授業計画 序 公共政策論の課題と方法
第1部 公共政策の政治経済学
1章 公共政策の発展と歴史
2章 公共性の序列と混合財
3章 公共政策の政策デザイン
第2部 日本の公共政策−その実証的各論分析−
4章 日本型公共政策−公共政策と財政−
5章 社会資本充実政策と国士・地域政策
6章 都市・農村問題と公共政策
7章 「環境再生」の公共政策−環境政策を足もとから考える−
8章 少子・高齢社会と公共政策−保健・医療・福祉の一体化−
終章 「維持可能な社会」をめざして−新公共政策のすすめ−
評価方法 定期試験と出欠状況(随時、講義に対するアンケートを実施)で評価
テキスト 宮本憲一『公共政策のすすめ』有斐閣、1998
なお、テキストを補充する講義資料も毎講義時に配付する。
その他 参考文献としては、さしあたり以下をあげておく。
山口定ほか編『新しい公共性−そのフロンテイア−』有斐閣、2003
斉藤純一『公共性』岩波書店、2000