南山大学

 
指定
期間
春学期
単位
年次
3〜
担当者
吉川 洋子
他の科目との関連 地域文明論B(アジア)
他学科履修
副題 インドシナ戦争の政策決定論からのアプローチ
授業概要  アジア太平洋地域の国際関係を、戦後アジアの戦争を中心として、国際政治的視点から講述する。まず、アジア太平洋地域の地政学的基礎を考える。次に、国家間の戦争、脅威の認識とそれへの対応、エスニシティ、ナショナリズム、イデオロギー、などの要因を検討する。冷戦期及び冷戦後の安全保障体制をインドシナ戦争を中心に論じる。その際、できるだけイラク戦争と比較する。
学修目標  第1に戦後アジアの主な戦争と、武力行使の意味を学ぶ。中でも現在のイラク戦争への影響の大きさから、また超大国小国の国家間対立の事例として、第一次から第3次までのインドシナ戦争を学ぶ 第2に接近方法は、単に「戦争がおきた」「過去の歴史」として捉えるのではなく、多数の政策決定の連続の結果として分析的に捉える方法を習得する。国際地域環境要因分析、国家の遂行目標、政策決定分析から戦略戦術的決定を検討し、それらがかならずしも合理的選択と結果であったわけではなく、多くの読み間違い、誤算、情報と意思疎通の欠落などの下での決定を含んだ結果であることを学ぶ。
授業計画 I 1)東南アジアの地政学的基礎 地理、戦略的位置、国力(ハード、ソフトパワー)
  2)脅威、紛争の種類(地域内、国家間、内戦・内乱—分離独立、エスニック、イデオロギー、テロイズム)、非対称性、アジアの戦争とイラク戦争との比較
II冷戦型地域戦争・紛争 1)第一次インドシナ戦争(抗仏)
            2)第二次インドシナ戦争(ベトナム戦争)
            3)第三次インドシナ戦争(ベトナム・カンボジア戦争・カンボジア紛争)
評価方法 小クイズと学期末テスト
テキスト 松岡 完『ベトナム戦争』中公新書
その他 指定図 マクナマラ『果てしなき論争』共同通信社
    小倉貞男『ベトナム戦争全史』
    R.マクナマラ『マクナマラ回顧録』共同通信社
    古田元夫『ホーチーミン』岩波書店
    N.チャンダ『ブラザーエネミー』めこん
    バオ・ニム『戦争の悲しみ』めるくまーる
    河野雅治『和平工作』岩波書店
    日本国際政治学会編『現代史としてのベトナム戦争』(国際政治第130号)
    ガブリエル・マルコ『ベトナム戦争全史』社会思想社(2002年5月)
    冨山泰『カンボジア戦記:民族和解への道』中公新書
    熊岡路矢『カンボジア最前線』岩波新書