南山大学

 
指定
期間
春学期
秋学期
単位
年次
1・2
担当者
松戸 武彦
講義題目 近代社会論のモチーフと東アジアの工業的発展
開講キャンパス 瀬戸キャンパス(春)サテライトキャンパス(秋)
授業概要  産業の段階的変遷ないし発展、その多様化および国際化は国家間の富の移動を促進して発展途上国に経済発展をもたらすとともに、他方では国家間の貧富の差をも拡大してきている。本講義では、産業がもたらす経済的効果のほかに、主としてそれが社会にどのような影響をもたらしてきたのか考察する。そうした影響の結果を歴史的かつ国際的な比較の観点から概観するとともに、さまざまな社会調査を実施することによって産業と社会との関係を分析し論じる。また、問題解決のための政策がどのように機能してきたかの検証もあわせて検討する。
学修目標 産業の特質について専門的見地から見解をのべることができる。
授業計画  始めに、マックス・ヴェーバーの近代社会論をとりわけ、工業労働者調査論の中から検討する。ここで描かれているような西ヨーロッパ的近代工業化がどのような特質を持ったものであったかを検討する。
 その後、アメリカで生じた工業化、近代化論も視野に入れながら近代化論の基本的モチーフを検討する。カー、ダンロッブなどのインダストリアリズムを中心にして、従来の発展途上国開発論の理論的支柱となってきたものは何か、およびその対立者としての従属理論も視野に入れた検討を試みる
 その際、講義参加者はテーマを与えられ、それを調べて報告すると言う形式をとりたい。
 このような、前駆的作業を前提にして、東アジア、東南アジアで近年生じている工業的、経済的興隆の社会的意味、帰結を実際の調査結果をふまえながら検討する。トピックとしては、社会主義市場経済化の従業員意識への影響、平等と効率意識の変容、所属組織への帰属意識、権威主義志向の比較、具体的社会政策の展開と社会意識の関係などを取り上げて検討する。
 このような検討を経て、できれば調査活動を実際に展開したい。
評価方法 レポートによる評価。ただし授業展開に対する積極的貢献も加味する。
テキスト 授業で指示
その他 積極的参加が不可欠。聞いているだけという消極的参加は必要ない。