20021 自己と社会
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選 |
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秋学期 |
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2 |
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2秋〜4 |
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加藤 隆雄 |
他の科目との関連 | |
他学科履修 | 可 |
副題 | 心の社会学 |
講義内容 | 現代社会は、内面的現象、すなわち「自己(または自我)」や「心」「感情」に対して、人々が非常に強い関心を払うようになった社会である。この講義では、内面的現象と社会との関係を、(1)自己の形成、(2)自己の維持・変質、(3)心・感情の管理という観点から解説していく。これらについて、哲学・心理学・精神分析・歴史学・政治学などをふまえながら、社会学の視点から論じていき、内面的現象が内閉的で自己完結的な現象ではなく、社会と深いつながりをもつものであることを述べる。 |
学修目標 | 1.自己がいかに形成されるかについての理論を理解する。 2.社会過程において、自己がどのように維持され、変質するかについて理解する。 3.現代社会における自己がどのような特質を有しているかについての理論を理解し、現在の自己を考察 する。 4.現代において、個人の「心」「感情」「自己」にどのようなマクロな力が加わっているかについて理解する。 5.全体として内面的現象と社会がどう関係するか、理解と洞察を深める。 |
講義計画 | 1.現代における自己と心の問題 2.自己の形成(1) フロイト 一次的ナルシシズム/エディプス・コンプレックス/無意識/超自我/欲動 3.自己の形成(2) ジェームズとミード 主我と客我/役割取得/一般化された他者/鏡に映った自己 4.自己の形成(3) フロイト以降の精神分析 鏡像段階/前エディプス期/アイデンティティ 5.自己の形成(4) まとめ 6.自己の維持と変質(1) 相互作用論・ゴッフマン ラベリング/自己呈示/印象操作/役割距離/スティグマ/全制的施設 7.自己の維持と変質(2) 大衆社会・マスメディア時代の自己 社会的性格/一次元的人間/他者指向型/ナルシシズムの時代/モラトリアム人間 8.自己の維持と変質(3) 感情の社会的構成 マンタリテ/感情革命/感情構造/感情管理/深層演技 9.自己の維持と変質(4) まとめ 10.心の管理(1) 自己の歴史・狂気の誕生 狂気の歴史/牧人=司祭型権力(pouvoir pastoral)/自己への配慮 11.心の管理(2) 自己と個性の崇拝 自己儀礼/個人の崇拝/社会分化/個性の発達 12.心の管理(3) 異常の常態化 DSM/医療化/嗜癖・共依存/ロジャース派カウンセリング/心理主義化 13.心の管理(4) 消費される自己と個人化 個人化/マクドナルド化/親密性の変容/リキッド・モダニティ 14.心の管理(5) まとめ 15.定期試験 |
評価方法 | 定期試験80%、レポート10%、出席点10%により評価する。 |
テキスト | 講義中にプリント等を配布する。 |
その他 |