南山大学

 
指定
期間
通年+夏期後半
単位
年次
2〜4
担当者
後藤  明
他の科目との関連
他学科履修 人間文化研究科人類学専攻生のみ可
副題
講義内容  文化人類学という学問の特徴は、文献研究の成果を自信の現地調査によって資料と突き合わせ、新たな講義の局面を切り開いていくところにある。授業では、まず文献研究によって現地調査の場所とテーマを絞り込み、テーマに適合した調査方法を学んだ後、全員で短期間の実地調査を行う。さらに現地調査で得た資料と文献研究を付き合わせ、討論・分析を経て、共同で当初のテーマに沿ったレポートをまとめる。
学修目標  本講義では主に工芸(もの作り)や生業、あるいは伝説遺跡や墓といった「物質文化」に即した調査を行う予定であるが、学生が明確なテーマを持ち調査中に自主的に行動できる場合はその限りではない。
講義計画 春学期
1〜7:民族学系のビデオや写真などを見ながら人間の行動を観察する技法の鍛錬を行う。学生は毎回フィールドノートを取りながら映像や画像あるいは物質文化を観察し、後にグループで討論あるいは講師の質問に答える。
8〜14:調査地に予定している奄美地方(沖縄の可能性もあり)の先行研究を各自ないし各班で探し報告することで基礎知識の共有化をはかる。

夏期後半:1週間程度の現地調査。できるだけ安いツアーを利用するがその場合でも7,8万の負担は必要であった。なお交通不便のためレンタカー通常借りるがその費用やガソリン代も共通負担である(2000〜3000円程度)。調査に必要な七つ道具(カメラ、巻き尺なども各自負担)。

秋学期
1〜3:夏期の調査について、収集資料の確認。報告の役割分担などの討論。
3〜14:各自および各班ごとに調査内容のプレゼン、そして調査内容の文字化。さらに時間を見ながら民族誌的な目をより深化させるためにマリノウスキー『西太平洋の遠洋航海者』を各自買って読む。これは冬期に予定している沖縄海洋博公園海洋文化館への研修旅行(自主参加)のためであるが、海洋文化館では上記書に出てくる「クラカヌー」や「クラの財宝」などの実物を見て、物から文化的情報を引き出す鍛錬を行う。
評価方法 授業中の平常点(10%)、フィールドワーク時の態度(40%)、レポート(50%)の総合で行う。
テキスト
その他  調査中には大人としての常識的な礼儀はもちろん、帰ってきてからのお礼状や記念写真の送付、ささやかだが心のこもった送り物(一人500円程度負担)、最後にレポートなどを送って一応その年は終わりとなるものである。このような礼儀を知らない者、あるいは同意しない者は講師が長年培ってきた現地の方々との関係を損ねる恐れがあるので登録しないで欲しい。