南山大学

 
指定
期間
春学期
単位
年次
2〜4
担当者
加藤 隆雄
他の科目との関連
他学科履修
副題 コミュニケーションの社会学
講義内容  コミュニケーションは一般に行為者相互の意思伝達と考えられている。しかし、それを可能にするものは何なのか、またそもそもコミュニケーションは可能であるのか、もし可能であるとしたらどのような意味においてであるのか−このような問題設定のもとに言語学・哲学・社会学・心理学・精神医学・マスコミュニケーション論などの研究を概説する。以下の(1)〜(7)のテーマについて講義を行う。(1)コミュニケーションとは何か、(2)コミュニケーションと言語、(3)日常的コミュニケーション、(4)コミュニケーションの社会的基盤、(5)コミュニケーションの起源、(6)ディスコミュニケーション、(7)マスコミュニケーションと現代におけるコミュニケーション。
学修目標 1.コミュニケーションと非コミュニケーションの境界について理解する。
2.言語の統辞論的・意味論的・音韻論的・語用論的観点について概要を知る。
3.言語が人間の社会的行為の一部であるという考え方を理解する。
4.コミュニケーションを成立させるために行われている行為を分析する方法を知る。
5.人間のコミュニケーションの成立について考察する。
6.ディスコミュニケーションについて考察する。
7.マスメディアやメディアツールがコミュニケーションに与える影響を考察する。
講義計画 1.コミュニケーションとは何か
    コミュニケーションの定義/コミュニケーションの諸領域/コミュニケーションのモデル
2.コミュニケーションと言語の理論
    生成文法/言語相対性仮説/シニフィアン/差異/記号生産
3.ウィトゲンシュタイン
    論理言語/言語ゲーム/家族的類似/私的言語
4.日常言語の哲学
    不適切性の理論/発話内行為/発話内効力/協調原理/系統的に誤解を招く表現
5.コミュニケーションの社会学(1)  ミード〜相互作用論
    有意味シンボル/相互作用としての社会/自己相互作用
6.コミュニケーションの社会学(2)  ゴッフマン
    自己呈示/印象操作/儀礼的無関心/フレーム
7.コミュニケーションの社会学(3)  シュッツ
    現象学/視界の相互性/レリバンス/多元的現実
8.コミュニケーションの社会学(4)  ガーフィンケル
    エスノメソドロジー/ブリーチング/インデックス性/ドキュメント的解釈
9.コミュニケーションの社会学(5)  会話分析
    話者交替システム/隣接対/優先組織/メンバー特定化装置
10.母子相互作用とコミュニケーションの起源
    一語文/象徴機能/やりとりゲーム/幼児誘発性社会行動/過剰解釈
11.ディスコミュニケーションとコミュニケーションの病理
    ジェンダー/階級文化/ダブルバインド/うそつき/自己言及性
12.マスコミュニケーションの理論
    擬似環境/擬似イベント/二段階の流れ/麻酔的逆機能/アジェンダ設定
13.現代におけるメディアの理論
    マクルーハン理論/ヴァーチャル・リアリティ/シミュレーション
14.現代社会におけるコミュニケーション
    コミュニケーション不全症候群/ポストモダン/コミュニケーション的行為
15.定期試験
評価方法 出席10%、定期試験90%により評価する。
テキスト 特に用いない。参考書は講義時に指示。
その他