南山大学

 
指定
期間
春学期
単位
年次
2〜4
担当者
安田文吉
他の科目との関連
他学科履修
副題 仮名草子・浮世草子・俳文・浄瑠璃の研究
講義内容  近世文化の特色の一つは印刷文化。朝鮮半島からもたらされた銅活字を木活字に換え、さらに上代以来寺院のみで行われてきた整版印刷を行うことにより、大量の書物出版が可能になった。また、寺子屋などにより読み書きが教えられ、町人も庶民も読書の習慣が広まった。結果、仮名草子、浮世草子、読本、洒落本、滑稽本、人情本、赤本、黒本、青本、黄表紙、合巻、俳文、浄瑠璃などの諸分野の諸本が出版された。半年なので、これらの中から、仮名草子・浮世草子・俳文・浄瑠璃の文章を取り上げ、その創作意図を含め、近世文化も併せて、作品を読み解いていく。
学修目標  近世文学の散文・韻文のうち、仮名草子「仁勢物語」、浮世草子「好色一代男」、俳文「奥の細道」、浄瑠璃「義経千本桜」などを取り上げて、精読し、近世文学の特質及び近世文化の特色を考察する。

【講義計画】1 近世における印刷・出版文化I。
2 近世文学に大きな影響を与えている歌舞伎の鑑賞と研究。御園座陽春花形歌舞伎の粗筋・趣向・特色・問題点についての講義(冊子形態の資料配付。学外授業の一環として、4月18日〈水〉午後4時15分開演の『盟三五大切』の鑑賞と研究を行う〈詳しい興行日程未定のため、予定〉、費用は、学生団体割引で3000円〈予定〉)。
  四代目鶴屋南北の『盟三五大切』を基に、近世文学等の主要なテーマである、忠義、孝行、義理、情について考える。
3 近世における印刷・出版文化II。
4 仮名草子「仁勢物語」と「伊勢物語」I。
5 仮名草子「仁勢物語」と「伊勢物語」II。
6 浮世草子「好色一代男」I。
7 浮世草子「好色一代男」II。
8 俳文「奥の細道」I。
9 近世文学に大きな影響を与えている歌舞伎の鑑賞と研究。中日劇場6月公演市川猿之助スーパー歌舞伎『独道中五十三駅』の粗筋・趣向・特色・問題点についての講義(1)(冊子形態の資料配付。学外授業の一環として、6月20日〈水〉午後4時開演の『独道中五十三駅』の鑑賞と研究を行う〈詳しい公演日程未定のため、予定〉、費用は、学生団体割引で5000円〈予定〉)。
  『独道中五十三駅』の趣向や筋立てから、近世文化・文学のありようを考える。
10 俳文「奥の細道」II。
11 浄瑠璃「義経千本桜」I。
12 浄瑠璃「義経千本桜」II。
13 その他の近世文学作品、随筆など。
14 近世文学と近代文学。
15 定期試験。
講義計画
評価方法 定期試験(筆記試験)
テキスト 近世文学作品の印刷物を適宜配付。
その他