南山大学

 
指定
期間
秋学期
単位
年次
3・4
担当者
鈴木 宗徳
他の科目との関連
他学科履修
副題 ハーバーマスの政治思想
講義内容  戦後ドイツ思想をリードしてきたのは、フランクフルト学派とよばれる一群の社会哲学者たちであった。この講義では、その「第二世代」を代表するユルゲン・ハーバマス(J殲gen Habermas, 1929-)の政治思想について、彼の「公共性」概念を中心に検討する。ハーバーマスは『公共性の構造転換』において、市民たちによる開かれた政治的討論の場を「公共性 ⑼fentlichkeit」と呼び、それが18世紀にさまざまな空間やメディアにおいて成立するものの、20世紀には力を失ってしまったことを論じている。今日において、民主主義の基礎である「公共性」を再興することがいかにして可能か、歴史的・理論的に考察する。
学修目標 現代ドイツ政治思想についての専門的知識を学び、現代の政治的課題について思索を深める手がかりとする。
講義計画 1.  オリエンテーション
2〜4.フランクフルト学派「第一世代」の思想(アドルノ、フロム、マルクーゼ)
5・6.『公共性の構造転換』の意義
7.  現代における「公共性」再興の可能性
8〜10.60・70年代におけるハーバーマスによる論争(実証主義論争、システム論論争など)
11〜12.80年代以降のドイツの政治状況とハーバーマス思想の展開(歴史家論争、新自由主義、グローバル化)
14.  まとめ
15.  定期試験(レポート提出)
評価方法 学期末に一回レポートを提出してもらうが、授業への参加姿勢なども加味して、総合的に評価する。
テキスト テキストはとくに用いないが、授業で中心的にとりあげる『公共性の構造転換』(ハーバーマス著、細谷貞雄・山田正行訳、未來社)を読むことを、強く勧める。そのほかに、第一世代(アドルノ、ホルクハイマー、フロム、マルクーゼ)の著作やハーバーマスの論争相手(ポパー、ルーマン、フーコー)の著作、ハーバーマスが依拠する同時代の思想家(アーペル、オッフェ、ホネット)の著作などを授業中に紹介する。
その他