南山大学

 
指定
期間
春学期
秋学期
単位
年次
3・4
担当者
願興寺ひろし
他の科目との関連
他学科履修
副題 日本的労使関係の本質と東アジアへの移転プロセス
講義内容 働く者の幸せを実現し同時に産業経済の発展を促す「健全な労使関係」とは何か。またその東アジアへの移転をどのように進めるか。トヨタ自動車の事例をもとに、生々しい現実を観察する中から日本的労使マネジメントのグローバル化にむけた課題を抽出する。
学修目標 「日本的労使関係」の本質と構成要素について正しく理解する。
日本的労使マネジメントの東アジアへの移転可能性を検証するとともに、現地社会・文化との軋轢と併せてその克服に向けたグローバル事業の醍醐味を修習し、卒業後グローバル化時代の経営の携わる人材の育成に資する。
講義計画 労使関係論A (春学期)
0. オリエンテーション —「労使関係」と「労資関係」—
1. 「日本的労使関係」の理解に関する様々な研究成果を概観。
2. トヨタを事例研究の対象とする必然性を検証。
3〜10.
   「トヨタ労使関係」の形成過程をレビューする中から、その本質と基本構成要素を明らかにする。
   (1)草創期の」労使関係
   (2)労働争議と左傾化
   (3)労使宣言
   (4)規模の拡大に対応する組織戦略
   (5)小活
   (6)基礎を成すマネジメント・システム
   (7)労働組合の参加的関与とその意義
   (8)小活
11〜14.
   ケーススタディー:受講生を適切にグループ分けし、講義に関係する論文についてメンバー各自がコメントを作成提出し、併せてグループで共同発表する。
15. 定期試験

労使関係論B (秋学期)
0.  オリエンテーション — なぜ今アジア研究なのか —
1.  システム移転に関する様々な研究成果を概観
2〜5.インドネシアへの労使関係移転
    (1)パンチャシラ労使関係と社会意識
    (2)労働争議の構図   — 事例研究 —
    (3)積極的な移転の試み — 事例研究 —
    (4)少活
6〜9.タイへの労使関係移転
    (1)労使関係の一般的特徴と社会意識
    (2)労使マネジメント・システムの移転プロセス 
        — 事例研究 —
    (3)仕入先の現状 (1次〜2次へ規模に応じた変質)
                — 事例研究 —
10〜12.中国への労使関係移転
    (1)中国労働関係政策と「工会」の苦悩
    (2)国営企業改革と、日本的労使関係の実践
    (3)中・南部工業団地での取り組み
    (4)仕入先の現状
13〜14.日本本社労使の役割
15.  定期試験
評価方法 労使関係論A
ケースステディーに関するコメント20%、定期試験60%
ケーススタディーへの参加態度、出席状況等を含めた平常点20%
労使関係論B
定期試験60%、出席状況等を含めた平常点40%
テキスト 「トヨタ労使マネジメントの輸出」ミネルヴァ書房 2005年
                     ISBN4-623-04271-5
その他 春学期、秋学期ともに、必要に応じて随時補足資料を配布する。
労使関係論Bの評価で平常点のウエイトを高めているのは、講義を通してより多くのケースに当たることが卒業後のキャリアアップにつながるからである。