81255 政治思想史B
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選 |
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秋学期 |
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2 |
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2〜4 |
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友岡 敏明 |
他の科目との関連 | 憲法、法哲学、政治学関係諸科目 |
他学科履修 | 可 |
副題 | “政治の現在”のよりよい理解のために。 |
講義内容 | ヘブライズムとゲルマニズムという、西洋の政治的伝統を形成する二大要素が出現し成長する中世における政治思想と、その遺産から抽出された「国家」と「個人」の二元的対立が織りなす近代における政治思想を概観する。先ず、ゲルマン的要素の中から「代表」、「能力」、「同意」といった政治的原理が発達し、ヘブライ的要素から人間の普遍的価値(「自由」と「平等」)や教会という政治権力とは別個の道徳的権威の存在の主張(「政教分離」と「権力の正統化」の観念)が発展した過程を見る。次いで、近代において、こうした発展に加えて、国家と政治の自然的な存在を論証するヘレニズムの要素の知的遺産によって理論的バックアップを得た主権的な民族国家(ネーション・ステート)という巨大なエネルギーを持つ政治的展開、およびこれがゲルマンとヘブライの両要素から発展した政治原理との間で達成する折合いの過程を見る。 |
学修目標 | 原典(テキスト)からの抜粋資料をコピーで配付するので、生きた原資料に触れて知的追体験をするという思想学習の本質を味わうと同時に、現在ある政治を歴史的展開の中においてみることによって、政治の現在を理解し、将来を展望する知見を養う。 |
講義計画 | 以下のように進める。 (1) 政治思想史という学問(対象と方法) (2) キリスト教(「神の似像」、「神の子」、「政教分離」) (3) 神の似像の応用と「地の国」と「神の国」(アウグスティヌス) (4) 中世社会の構成原理(ゲラジウス原理) (5) 封建制の政治原理の権化(マグナ・カルタ) (6) 近代を向いた中世政治思想の大成者(トマス・アクイナス) (7) 「国家」統一と新しい君主の提唱(マキアヴェッリ) (8) 「個人」観念の析出の理論的功労者(ルター、カルヴァン) (9) 「個人」と「国家」の結合の試み=社会契約論(ホッブズ、ロック、ルソー) (10) 自由主義の変遷=国家消極説から積極説へ(ペイン、ベンサム、グリーン) ⑪ 大衆社会の到来(トクヴィル、ミル、オルテガ) |
評価方法 | 日常的な授業への取組みの姿勢(20%)、定期試験の成績(80%)で総合的に評価する。 |
テキスト | 特に指定せず。 |
その他 | 特になし。 |