南山大学

 
指定
期間
秋学期
単位
年次
1・2
担当者
森部 一
講義題目
開講キャンパス
講義内容  「社会に埋め込まれた宗教」という視点から、タイの人々にとっての上座仏教とはどのようなものかを考えてみたい。講義の前半では、タイの上座仏教の基本的骨格について説明する。具体的には、出家・還俗制度、積徳行為や仏教的世界観などに言及する。後半では、1960年以降顕著になったタイの経済・社会変化に対応して生じた上座仏教側の新たな動きについて説明する。そして、こうした事例を見ていく中で、複雑な現代社会に対する宗教文化を切り口とする文化人類学の分析手法を学習させる。
学修目標 宗教を人類学的視点から研究する方法を身につけさせると同時に宗教の現代的意義について考えさせる。
講義計画 1.仏教研究の方法と研究史:「二つの宗教」という理論の問題点
2.〃:レッドフィールドの「大伝統」と「小伝統」概念
3.〃:タンバイア、石井米雄、青木保などの見解と問題点
4.タイ人の行動様式と仏教の倫理(1)
5.      〃       (2)
6.タイ上座仏教の基本的特徴:出家・還俗制度
7.〃:積徳行為
8.〃:輪廻観
9.都市化と仏教:1960年以降の経済・社会変化
10.〃:既存の仏教に対する批判的・改革的流れ(僧侶プッタタートとポティラック)
11.〃:瞑想による治病儀礼
12.〃:チャオ・ポー信仰
13.〃:護符の大流行と森林僧の政治的・経済的重要性
14.まとめ
評価方法 レポート50%、出席50%
テキスト 森部一1998年『タイの上座仏教と社会──文化人類学的考察』山喜房佛書林
その他 演習に際しては、上記のテキストの中から必要な部分をコピーし配布する。