南山大学

 
指定
期間
夏期後半
単位
年次
1・2
担当者
宇佐美まゆみ
講義題目 会話分析とディスコース・ポライトネス理論
開講キャンパス
講義内容  本講義では、自然会話分析とディスコース・ポライトネス理論についての理解を深めるため、まずは、内外の敬語研究・ポライトネス研究を、Brown & Levinson(1987)によって新たに定義された「ポライトネス」という観点から捉え直す。その上で、B&Lの理論の問題点を吟味し、相対的ポライトネスという新概念を導入して構想された「ディスコース・ポライトネス理論」(宇佐美、2001;2002)について解説する。
 これらを通して、言語使用と対人コミュニケーションについて、様々な観点から考えるとともに、自然会話分析と質問紙調査、定量分析と定性分析、基本的な文字化の原則(BTSJ)、コーディング、会話データのコンピュータでの処理法など、言語社会心理学的アプローチの具体的な方法、及び、言語研究の方法論についても論じる。
 討論形式の多い参加型授業としたい。
学修目標  主に、自然会話分析とディスコース・ポライトネス理論についての理解を深めることを通して、言語社会心理学の目的、方法、及び、その意義を理解することを目標とする。
講義計画  以下は、大まかな目安である。
1.導入、フェイスシート記入、グループ分け
  *事前課題提出
2.談話研究(1)対人コミュニケーションの記述法としての会話分析と社会心理学
3.談話と対人コミュニケーション−ポライトネス理論とは?
4.質疑応答
5.談話研究へのいくつかの異なるアプローチの概観・考察
6.事前課題について−ディスコース・ポライトネス理論への導入
7.ディスコース・ポライトネス理論の新展開
8.文字化・コーディングの方法の理解
9.Brown & Levinson(1987)のポライトネス理論 (討論)
10.ディスコース・ポライトネス理論(宇佐美、2001;2002)(1−概要)
11.ディスコース・ポライトネス理論(宇佐美、2001;2002)(2−質疑応答)
12.ディスコース・ポライトネス理論(宇佐美、2001;2002)(3−討論)
13.発表準備(ハンドアウト作成など)
14.発表 
15.発表
評価方法 授業への貢献度(10%)・口頭発表(30%)・レポート(60%)等によって総合的に評価する。
テキスト 宇佐美まゆみ(2003)「異文化接触とポライトネス—ディスコース・ポライトネス理論の観点から—」『国語学』54(3)、国語学会、2003:7、117-132. 16頁
        宇佐美まゆみ(2002)「ポライトネス理論の展開(1)〜(12)」『月刊言語』(1月号〜12月号)、大修館書店
        宇佐美まゆみ(2001)「談話のポライトネス−ポライトネスの談話理論構想−」『談話のポライトネス』第7回国立国語研究所国際シンポジウム報告書−、国立国語研究所.9-58.
その他、適宜、配布する。

【その他】事前に指定した文献の感想をまとめる課題を課す予定である。
その他